非・シェアハウス【すとぷり】 (ページ21)

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5日目　　10時くらいページ21

〝コンコン〟

　『はーい。』

　私は誰が来たのか分からないフリを行う。

　さっきの話を聞いたところ、おそらくドアの前で立っているのはるぅとさんだろう。

　まぁ予想は的中し、るぅとさんがいた。

　『どうしたんですか？』

る「すみません、Aさんっ！
　僕、Aさんに謝らなければならない事があるんですっ！！」

　『はっはい...。』

　さっきまで盗み聞きしていた罪悪感が一気に湧き上がった。

る「実は...Aさんが絵を描けることをみんなに知られてしまいました...。」

　『さっきのお話し合いでですか...？』

る「そこではさとみ君に教えました。
　しかし、肝心なことになー君にAさんが絵を描いている事を他の人に教えないようにと、伝える事を忘れていました...。
　本当に申し訳ございません...。」

　

　『そっそうですか、でっでも大丈夫ですっ！
　いずれか秘密はバレてしまうものなのですから、それに、私もななもりさんに教えないでって事を伝え忘れていたので自己責任です。』

る「そんな...僕が撒いた種なのに...申し訳ございません...。」

　『とりあえず私はるぅとさんだけMVを作ります。このままだと、皆さんのMVを作ってしまうことになりそうな予感がするので...。』

る「そうですねw皆さん、Aさんが描いてくれる絵なら欲しいと思いますしね。」

　『そんなことはないですよ...。』

る「では、今日はもう遅いので寝ましょうか。
　明日は僕忙しいので、あまり会えないと思いますが、明後日だったらMVについて答えられると思うのでその日に聞いてくださいっ！」

　『わかりましたっ！
　それではおやすみなさいっ！』

る「はいっおやすみなさいですっ...。」

　そう言って私のおでこにき、キスをした...。

　『へっ！！？いっ今...。』

　私は顔を真っ赤に染め、るぅとさんを見た。

　るぅとさんは余裕の表情で、ポンポンと、私の頭を撫でた。

　るぅとさんが私の部屋から出たとき、私は部屋のドアにもたれかかり、足の力がなくなり立つ事ができなくなっていた。

　
　その一方のるぅとさんは、私よりも顔を赤くして、私の部屋のドアの前に座り込みへにゃへにゃになっていたことは、知る余地もなかった。