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「Aらしい色だね。」
無一郎がそう言うと、Aは、哀しそうに微笑んだ。
一体どうしたのか。聞こうとしたが、まるでAの目が、〈それ以上聞くな〉と言っているようで、聞けなかった。
だけど、哀しそうに微笑んだAは、とても綺麗だった。
綺麗だったから、聞けなかった。
君は僕を憶えていると云うけれど、
確かに僕も君だけははっきりと思い出せるけれど。
君の過去については何一つ。
「あ、銀子。」
任務か。
最終選別を終えてから二日ほどしかたっていないのに。
鬼殺隊は案外ぶらっくらしい。
「A、もう任務だって。」
『…そう。いってらっしゃい無一郎、気をつけてね。』
「うん。早く終わらせて帰ってくるよ。今日の夕飯はふろふき大根がいいな。』
『分かった。用意しておくね。』
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無一郎の背中がやがて見えなくなり、その場にしゃがみ込んで苦しそうに息を吐き出すA。
その目には恐怖の色が浮かんでいた。
怖いのだ。大切な人を“また”失うのが。
とてつもなく、怖いのだ。
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うみねこ - 今気づきました!!汗ご指摘ありがとうございます。 (2020年4月20日 17時) (レス) id: 00b8e99048 (このIDを非表示/違反報告)
雪猫(プロフ) - 突然すみません!こちら、鬼滅の刃の作品なので、オリジナルフラグを外さないと違反作品となってしまいますので、外した方がいいですよ!これからも更新頑張ってください! (2020年4月16日 11時) (レス) id: 66ded389aa (このIDを非表示/違反報告)
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