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寂しそうな人だと、そう思った。




否、そんな匂いがした。




その小さな唇から紡がれる言葉の一つ一つには棘がある。




でも、漂う匂いを嗅いであれ、と思った。




真っ白なんだ。
 



海原Aさんは、ほぼ一切の匂いがしない。







柱だから俺の鼻も利かないのだろうかと一瞬思ったけれど、しのぶさんからは溢れる憎悪の匂いがちゃんとした。






冨岡さんが禰豆子を斬ろうとした時も、きちんと殺気の匂いがした。





あの人からは、なんの匂いもしない。





それがなにを意味するのかくらい、俺にも判る。






あの人は、もう殆どの感情を殺してしまったんだ。自分で。





カナヲはまだ微かに残っている。意志が弱いだけ。






それでも、禰豆子の事を怒っていたとき、微かに匂いはした。





でもそれは、憎悪じゃなかった。怒りでもなかった。






深い深い、哀しみの匂いがした。





あの人はあの場で、きっともう流れなくなってしまった涙を、心で流していた。





だからきっと、本当に優しい人だったんだろう。




鬼を穿つ事を、心から憐れんで、苦手としていた人だったんだろう。





あの人が出て行った後、善逸は云った。




「たんじろぉ、あの人おかしいよ。生活音は確かにするよ。でも、心から、なんの音も出してないんだ。」




何時もふざけている善逸が、深刻な面持ちでそう云った。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎   
作品ジャンル:アニメ
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うみねこ - 今気づきました!!汗ご指摘ありがとうございます。 (2020年4月20日 17時) (レス) id: 00b8e99048 (このIDを非表示/違反報告)
雪猫(プロフ) - 突然すみません!こちら、鬼滅の刃の作品なので、オリジナルフラグを外さないと違反作品となってしまいますので、外した方がいいですよ!これからも更新頑張ってください! (2020年4月16日 11時) (レス) id: 66ded389aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うみねこ | 作者ホームページ:無いです  
作成日時:2020年1月8日 17時

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