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第18話:入学式 ページ20

魔法学校に来て早々、私と金髪の少年は職員室に呼び出されていた。先生は何故あの喧嘩が起きたのかを私らに問いかけて来て、少年が何も話さなかったので代わりに全てを説明した。


「それでその男の子が私を殴ろうとしてきたの。」


話し終えてちらりと隣を見る。少年はまだ仏頂面をしていて、先生も困ったように彼を見やってから再び視線をこちらに向けた。


「……分かりました。もう、今から同じクラスのお友達になるんだから喧嘩しちゃダメよ。」


「お友達」という言葉が聞こえたとき、少年はピクリと反応したが先生がいる前では問題を起こしたくないらしく、何も言わずに耐えていた。

先生から教室に戻っていいという許可が出て、真っ先に少年が職員室を飛び出していく。

アイリスが心配だし、私も早く戻ろうと先生に背を向けた時。


「あっ、そうそう思い出した! あなた、オリヴィアちゃんよね?あなたにお願いしたいことがあるの。」


何か用事を思い出した先生から呼び止められてしまった。面倒ごとを頼まれる予感がして、早々に逃げ出したかったがここは職員室なので逃げ場はなかった。




「それでは新入生の入場です。」


教室に戻りしばらくして先生が名簿片手にやってきて、出欠を取り出す。そこで突っかかってきたあの少年の名前が「レオン」だということを知った。

先生は全員分の名前を読び、魔法で私らの胸元にお花の飾りをつけた後、クラスの全員を連れて大きな講堂のようなところへやってきた。

そこには私らより背丈がひと回りもふた回りも大きい上級生が集まっていて、一度にこんなに大勢の人を見たことがない私は緊張で表情が強張ってしまう。


順番に用意された椅子に座ると入学式が始まった。今年入学してきたのは魔法使い(ソルシエール)84名と、呪術師(アンシャンテ)8名の計92名のようだ。

初等部の校長先生の話に始まり、在校生からの言葉と式は順調に進んでいき残すプログラムはあと少しになる。


「次は新入生代表の挨拶です。オリヴィア・テイラーさん、お願いします。」


その時プログラムが進んでついに自分の名前が呼ばれた。返事をして立ち上がると視線が一気に自分に向いた。レオンが私を睨む視線が痛い。

普通、こういう挨拶は数日前に連絡が入るが、この学校では当日に頼む決まりらしく新入生の中で一番魔力量が多い私が代表挨拶を任されたのだ。

壇上に上がると今までにないくらい緊張で心臓が早鐘を打った。

第19話:授業方針→←第17話:自分と似た人



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えるふぃ(プロフ) - ゆいな♪さん» ゆいな♪さん、ストーリーをお褒め頂きありがとうございます(*´ω`*) 描写頑張った甲斐があります!これからもっともっと引き込んで行けるように頑張りますね!応援ありがとうございます! (2019年8月24日 23時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな♪(プロフ) - あわわ、す、すごいです!ストーリも分かりやすいので、凄い引き込まれます!更新頑張ってください! (2019年8月16日 13時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - ぽむぽむぽあろさん» ぽむぽむぽあろさん、ありがとうございます!そんな風に褒めてくださって嬉しいです!読み手に情景が伝わるように書くのが目標だったので(*´ω`*) 夏休みに入ったら更新速度上げられるように頑張ります!応援ありがとうございます! (2019年7月30日 22時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむぽむぽあろ(プロフ) - 設定がしっかりしてるので、お話の内容がアニメーションになって頭の中に浮かびます。とても面白くて好きです。もっと伸びてておかしくないと思うので更新頑張ってください! (2019年7月30日 12時) (レス) id: b97deb3170 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - ちょこころねさん» ちょこころねさん、はじめまして!世界観とキャラの設定は一番力を入れたところなので、そこを褒められるとめっちゃ嬉しいです!文章長いのに一気読み、おつかれさまです!ちょこちょこ更新するのでよろしくお願いします! (2019年1月18日 10時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えるふぃ | 作成日時:2018年9月23日 21時

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