No.47：細やかな反抗 ページ8
「そういえば、パーカー着てまで顔隠す理由ってなんなんだ？」
三人並んで通路を歩いているとき、レオリオが言った。急な質問に驚いて彼に視線を移すと、彼も僕の方を向いていたみたいで目が合った。
まぁ僕がフード付きのパーカーを着ている理由は、僕がオルクス家の人間だから、その正体を隠すためだ。
でもよく考えたら僕は仕事以外で家の外に出たことが無いし、そもそもオルクスの人間だって肩書きが付いてる時に僕の顔を見た人はこの世にはいないはずだから正体がバレるワケはない。
じゃあなんでお母様は、あんなに僕が顔を晒すのを嫌がったのだろうか。
なんて自分でも納得できてない理由をレオリオとクラピカに話すのも気が引ける。
それにいきなり二人に実は僕は暗殺者なんだって打ち明けるにはまだちゃんと信頼仕切れてない。
「あー、別に無理に話さなくてもいいぜ！
俺はただ、何か特別な理由がないなら、そのパーカーは脱いでた方がいいって言おうと思ってさ」
中々口を開かない僕を見かねてか、レオリオが僕の肩を軽く叩いて笑った。
気を使わせてしまったことが申し訳ない。
「……ごめんね、もうちょっとしたら多分、話せるから。
ところで、なんでこの服着てちゃダメなの？」
「こまめに包帯を取り替えれるなら話は別だが、試験中だからな。できるだけ汗はかかないようにした方がいい。
それには重ね着してちゃ暑いだろ？」
深く詮索してくることもなく、僕の問いに答えてくれるところに、彼の優しさを感じた。
「うーん……そうだね。じゃあ、コレもう着ないよ。実際、顔隠してたことにあんまり意味はないし」
だから僕は、そんな彼の好意を無駄にしたくないと思った。
それにほんの少しだけ、抗ってみたかったんだ。
「おー、そうか！それならよかったぜ。
また巻き直す時は遠慮せずに俺に言えよ？」
「うん、そのときはまたお願いするね」
いつもお母様の言いなりでいる僕に。
ゴンやキルアが自分なりの目標を持って行動してるように、僕も自分で自分のことを決めてみたい、そう思ったのだ。
結局、危ない思いまでして顔を隠し通してきたことは無駄になってしまったけれど、僕にとってこの決断は大きな一歩になったハズだ。
それにしても僕はこのハンター試験を通してだいぶ欲張りになった気がする。
今までは、言いなりになるのが嫌だなんて考えたこと無かったのに。
もしこんな姿をお母様に見せたら、お母様はなんて言うのかな……。
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えるふぃ(プロフ) - 冷凍みかんさん» 一年前のコメントに返信失礼します。面白いって言っていただけて感動です。頑張って書いたのが報われます…。応援ありがとうございます！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍みかん(プロフ) - すごく面白くて、読んでて楽しかったです！続き頑張ってください！ (2017年8月19日 18時) (レス) id: 86c7d5dde1 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - シロさん» 返信遅れてました(´・ω・`)H×Hは私の中でもお気に入りの漫画なので書いてて楽しいです(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - フェイ・ルーンさん» 返信遅れてすみません。ワクワクしますか！それは嬉しい褒め言葉です(*´ω｀*)自分でも話を考えてるときはワクワクします！ (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - モッケさん» 返信遅れて申し訳ないです。面白いといっていただけてうれしいです！更新は中々出来なかったですが頑張ります(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2016年3月27日 19時
