HUNTER×HUNTER〜孤独なアサシン〜part２

No.57：四次試験 ページ19

三次試験を無事通過した受験生、二十四人はリッポーさんによって外に連れ出された。そこで彼から説明されたのはこのハンター試験の進捗状況についてだった。

どうやらハンター試験は次に行われる四次試験が終われば、後は最終試験を残すのみとの事。そしてその四次試験の会場となるのは『ゼビル島』と呼ばれる島。

と、そこまで説明し終えたリッポーさんがパチンと指を鳴らす。すると男の人が横から、上に穴の空いた箱を乗せたカートを押しながら出てきた。


「これからクジを引いてもらう」


チラリと箱を一瞥したリッポーさんは、僕ら受験生にクジを引くように言う。中身は生き残った受験生のナンバーカードらしい。引く順番はトリックタワーを脱出できた順だそうで、このクジによって『狩るもの』と『狩られるもの』を決めるらしい。


説明を聞いてから、僕は自分なりに試験内容を予測してみた。

ナンバーカード、狩るもの、狩られるもの。そして僕らが今胸につけているナンバープレート。

これらの言葉から導き出した予測を立ててから、不審に思われない程度に周りを見渡す。仕事前に暗殺対象(ターゲット)の情報を覚えるのと同じ要領でプレートの番号、そしてその持ち主の顔とを頭に叩き込んだ。

タワー脱出順にクジを引くらしく、ヒソカ、ギタラクルときて次は僕の番。


「はぁ！？おまっ、そんなに早くクリアしたのか？」


クジを引くために前の方に進み出るとき、側にいたレオリオが驚いた声を出す。ぱっと見で僕が彼より強く見えないのは事実だし、彼らの前で目立った行動はしてこなかったため仕方がないが、そんなにあからさまな反応しなくても。

一言レオリオに文句を言ってやろうかとも思ったが、ここで僕がぐずぐずしていると後が詰まってしまうため、それを飲み込んでクジを引いた。

＊

「全員引き終わったね」


皆が順々にクジを引き、最後の一人が元の位置に戻った時、リッポーさんの口から四次試験の概要が伝えられた。試験内容としては僕の予想が的中し、ナンバープレートの奪い合いで、それが判明した時、一部を除く受験者が自分の番号を隠し始めたため、先に全員分のナンバーを覚えていて正解だった。

僕が引いたカードのナンバーは『89』。この番号の持ち主(ターゲット)は肩まである黒髪、細く垂れ下がった目、割れた顎が特徴の男。オーラも大したことないし、特別な技術を持っている訳でもないから、四次試験は楽にクリア出来そうだ。

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