No.54：三次試験通過 ページ15
暗闇の中、男たちの悲鳴が響く。殺すときは首を跳ね飛ばすので痛みは一瞬しか感じないはずなのだが、殺される恐怖なのか生きている試練官たちが叫び声をあげるのだ。
もしこれが実際の仕事だったら誰かを引き寄せてしまう可能性があるため避けたいが、今は試練中でしかも相手がわざわざ自分の位置を教えてくれるので大助かりだ。
動かなくなった死体を飛び越え、まだ生き残っている者の気配の元へ向かう。どうやらこの試練官で最後の様だ。
「やぁ、お兄さん。この度は僕を指名してくれてありがとね」
気配でそれが最初に僕のことを馬鹿にしてきた人だと分かり、馬鹿にされたままでは癪だったから、足を薙ぎ払ってバランスを崩し、尻餅を突かせてから首筋にナイフを押し当てた。その衝撃で手から離れた男の武器を遠くに蹴飛ばす。
「ひぃっ……べ、別にっ、こ、殺さなくてもクリア、出来るから！！」
怯えた男から出る声があまりに情けなくて、さっきの苛立ちも少しは治まった。ただ、暗闇で男の顔が鮮明には見えないのが残念だ。
「いやでもお兄さんの他は全員やっちゃったし不公平でしょ？それに僕、馬鹿にされてムカついたしなぁ」
「それは、あ、謝るから！！ゆるし……っ」
震えながら命乞いする姿を見れて満足したから、男にニッコリ笑いかけて(男には見えていないだろうが)ナイフを持つ手に力を込めた。
男の体と首が離れたと同時に鈍い音を立てて開いた扉から差し込んでくる明かりがその正確な位置を教えてくれた。
それを見るなり何も言わずにスタスタと出口に向かう針の人をナイフに付いた血を拭ってから追いかける。
「３０１番ギタラクル、５６番A、三次試験通過第ニ、三号！」
松明で照らされた広間に出ると、壁面に備え付けられたスピーカーから聞こえた声に知らされ、部屋を見渡すと隅の方に座っているヒソカを見つけた。
ヒソカは僕の前を歩く針の人、もといギタラクルと僕を見て、ニンマリとした顔をした。
「やぁ、珍しい組み合わせだね♦」
「……うっわ、最悪」
ギタラクルと二人っきりの時でさえ息苦しかったのに、ヒソカまで加わるなんて、と顔を顰めると彼はますます嬉しそうな顔をするもんだからぞくりと背筋が凍る。
「Aは随分と斬新な格好をしてるじゃないか♣
暇つぶしにボクとやらないかい？」
僕の全身を舐め回す様に見ながら言うヒソカにつられて自身の姿を見ると、僕の着ている服は返り血で真っ赤に染まっていた。
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えるふぃ(プロフ) - 冷凍みかんさん» 一年前のコメントに返信失礼します。面白いって言っていただけて感動です。頑張って書いたのが報われます…。応援ありがとうございます！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍みかん(プロフ) - すごく面白くて、読んでて楽しかったです！続き頑張ってください！ (2017年8月19日 18時) (レス) id: 86c7d5dde1 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - シロさん» 返信遅れてました(´・ω・`)H×Hは私の中でもお気に入りの漫画なので書いてて楽しいです(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - フェイ・ルーンさん» 返信遅れてすみません。ワクワクしますか！それは嬉しい褒め言葉です(*´ω｀*)自分でも話を考えてるときはワクワクします！ (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - モッケさん» 返信遅れて申し訳ないです。面白いといっていただけてうれしいです！更新は中々出来なかったですが頑張ります(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2016年3月27日 19時
