No.51：迷路 ページ12
閉ざされていた部屋の扉は、部屋に２人が降りてくると開くようになっていたみたいで、開いた扉から何も言わず出て行った３０１番の男性(面倒だから針の人と呼ぶことにしよう)を僕も慌てて追いかけた。
協力の道、と書かれていたからには何か２人揃ってないと攻略できない仕掛けがされていると考えるのが無難なのだけれど、会話どころかこちらを振り向きもしない針の人と協力なんてできる気がしない。
やっぱり違う扉を選んどけばよかったなんて後悔してても始まらないし、そんな後悔をしたって現状が変わるわけではないから、僕も覚悟を決めて前を向くことにしよう。
無言で石造りの通路を進んで行くと突き当たりに部屋があった。さっさと扉を開けて中に入った針の人に続いて僕も部屋に足を踏み入れた。
「これ……迷路、だよね」
何を言ってもきっと返答は無いんだろうけど、つい口に出してしまうのは僕の言葉に反応してくれていたゴンたちの影響だろうか。
案の定針の人は何も言わず左側の道へ歩を進めたから僕は右側へ進んでみることにする。
２人別々に出口を探した方がきっと効率もいいだろうし。
＊
迷路は予想以上に広く、室内も最低限の明るさで探索は困難を極めた。探索途中に試練官を名乗る死刑囚が何人も襲いかかったきたが、ポケットにしまっていたナイフで対応した。
動かなくなった残骸にチラッと目を移して針の人の事を考える。
僕は仕事柄暗闇には慣れているけれどあっちは大丈夫だろうか。まぁ、あれほど完璧に気配を消せるのなら心配なんていらないのだろうけど。かなり強いだろうし。
なんてことを考えながら探索して３０分くらいたっただろうか。通路の奥の壁にスイッチのような物が付いているのを発見した。
こんな所にスイッチがあるのは不自然だし罠かもしれないという考えが頭を過ぎったが他の道はもう探索済みだし調べるところはここしか残ってないから押すことにした。
「……何も起こらない、か」
が、スイッチを押しても特に変化は起こらなかった。僕のきた道はハズレで、針の人の方は何か収穫があったかもしれないから一旦引き返してみることにした。
入り口に戻ってみると針の人も引き返してきた。見た目が強烈で声をかけるのを躊躇ったが勇気を出して話しかけたら針の人が行った方にもスイッチがあったと分かった。
２つの通路、２つのスイッチ、協力の道……。
「……こういうのどうかな？」
僕の頭にこの状況から抜け出す案が浮かんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 131人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えるふぃ(プロフ) - 冷凍みかんさん» 一年前のコメントに返信失礼します。面白いって言っていただけて感動です。頑張って書いたのが報われます…。応援ありがとうございます！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍みかん(プロフ) - すごく面白くて、読んでて楽しかったです！続き頑張ってください！ (2017年8月19日 18時) (レス) id: 86c7d5dde1 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - シロさん» 返信遅れてました(´・ω・`)H×Hは私の中でもお気に入りの漫画なので書いてて楽しいです(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - フェイ・ルーンさん» 返信遅れてすみません。ワクワクしますか！それは嬉しい褒め言葉です(*´ω｀*)自分でも話を考えてるときはワクワクします！ (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - モッケさん» 返信遅れて申し訳ないです。面白いといっていただけてうれしいです！更新は中々出来なかったですが頑張ります(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えるふぃ | 作成日時：2016年3月27日 19時
