In the storm 4

Your side ページ8

Your side









涙が止まらない









どうして私は自分の事ばかり考えていたのだろう




あの日、ちゃんと理由を聞いていたら
こんなに大我を傷つける事はなかった








大我の気持ちを考えると苦しくて






こんな自分勝手な私は

大我の事好きだなんて思う事も

今ではもう、おこがましいのに







それでも私に歩み寄ることを諦めずにいてくれたのが嬉しいと思ってしまう









「ごめん」








何度も何度も謝る私に




大我「謝るくらいなら、ありがとうって言ってよ」



そう笑って謝る数と同じだけ
何度も私の涙を拭いてくれる









「ありがとう」



大我「珍しい、素直じゃん」




「今日だけ」



大我「可愛くないなあ」



「ひっどい」






もっともっともっと手を強く握って





大我「いった、もう暴力だよ！！これは！！」





「可愛くないからね！」





そう拗ねてみせる









大我「言葉のあやじゃん」





大我は並んで座る膝をコン、とぶつけた









触れたとこから熱くなる熱が






大我の事を好き






そう表してる気がするんだ









その気持ちは今も昔も変わっていなくて



お姉ちゃんの誤解が解けた、今


大我への気持ちをもう抑える必要は
もう無いはずなのに




どこか躊躇してしまうのは






北斗へ惹かれてることに気づいたから









大我「A、俺の気持ちはずっと、ずっとずっと変わってないよ。最初から同じなんだ。

それにこれからも変わらない


何があっても」







変わらないでいた大我の気持ちの正体が
言葉に出さなくてもぎゅっと握られた手から痛いほど伝わってくるのに






同じ気持ちでいた事





こんなにも嬉しいはずなのに








何の迷いもなく
その胸に飛び込びたいのに








中途半端なままの今の私は

また大我を傷つけてしまう






はっきりと、大我を選べない私は


やっぱり自分勝手なままの私で









大我「ねえ、Aは北斗の事好き？」







いつかと同じように聞いた大我に





「大我には教えない」





ワガママな私は

あの時とは違う意味を込めた









.

159→←157

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す