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『A、溢れてる』




「へ?」




『頭ん中も京都に置いてきたわけ?』




「え?うわ!冷た!」





溢れた水の冷たさに私はふと我に返った




『何でもいいけど人ん家汚さないでね』


「はぁい」





目の前にはコップに入った水が随分減っていて
かなりの量をこぼしたんだなぁと、どうでもいい事を考えていた






お姉ちゃんの家に帰ってきてから

私はずっと上の空だ







北斗のいたずらな視線から逃げられない


そう感じた公園の夕暮れ





『A?』





「お姉ちゃん!」


『遅いから迷ってんのかと思って迎えにきたんだけど…』



タイミングよく現れたお姉ちゃんにパッと手を離す




北斗「こんばんは」




『こんばんは…この間の…』




北斗「松村北斗です」




『そうだ、北斗君』




北斗「すいません、僕が引き止めちゃってて」





礼儀正しい北斗に、お姉ちゃんは微笑んで




『あ〜…私こそお邪魔しちゃった?』





なんて冷やかした





北斗「心配させてしまってすいません。俺、失礼しますね。
A、また学校でな。」




「あ…うん。また学校で」



私の肩をポンと叩いて
夕陽に消えて行く北斗の後ろ姿を
ただボーっと見つめる






大我の事を好き?と聞いた北斗に
勘違いされたくない、と答えた私に
北斗は何て思ったんだろう?



まだハッキリしない自分の気持ちを
伝える術なんか持ち合わせてない


曖昧な気持ちのかけらを
少しずつ集めてる最中で



だからお姉ちゃんのおかげで
助かったと少しホッとしたのが本音


そんなお姉ちゃんはテレビに夢中








「ねぇお姉ちゃん」





『なぁに?』









ずっと





大我の事勘違いして
お姉ちゃんにも当たったりしたよね



それでもお姉ちゃんはいつも笑って
どうした?って優しく尋ねてくれたのに





それにさえも答えない私に


何も言わずに優しく




『大丈夫』





と一言だけ言ってくれた







あの頃は






人の気も知らないで何が大丈夫なの






なんて一人で拗ねたりしてたな…






今になって思えば
お姉ちゃんは全部わかってたのかな?
お見通しだったのかなぁ






なんて






不器用な私と大我をずっと
見守っててくれたのかな







「お姉ちゃんの妹で良かったな、って」





『何、急に気持ち悪い』








ほんとにほんとにそう思うんだ









「お姉ちゃん、大好き」



『はいはい、私も好きだよ』









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設定タグ:松村北斗 , 京本大我 , SixTONES   
作品ジャンル:恋愛
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無名ちゃん(プロフ) - ポップコーンさん» ありがとうございます(^^)なかなか進まない展開で申し訳ないですが、楽しみにしていただけると嬉しいです(^_^) (2018年11月26日 14時) (レス) id: 212194d3a4 (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - 切なくて切なくてもどかしくてもどかしくて…ここからの展開が楽しみすぎて夜も眠れません! (2018年11月24日 17時) (レス) id: af868719a5 (このIDを非表示/違反報告)
無名ちゃん(プロフ) - 紫央さん» コメントありがとうございます(^^)そう言ってもらえると励みになります!頑張ります(^^)これからも楽しみにしていただけると嬉しいです (2018年11月20日 13時) (レス) id: 212194d3a4 (このIDを非表示/違反報告)
紫央(プロフ) - めっっっちゃ面白いです!!最近占ツク見てなかったんですけど、急に占ツク開きまくるようになりました笑笑更新これからも頑張ってくれたら嬉しいです!! (2018年11月17日 23時) (レス) id: 18d2042c72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無名ちゃん | 作成日時:2018年10月3日 21時

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