神風家 (ページ9)

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s「何が気に食わないのか、おいらには、分かんないけど、和も修学旅行楽しみにしてたじゃんそれなのに、偶々翔兄達と日にちが被っておいらが1人になるからって、誰か1人と一緒に家に居ても嬉しくない」

「何でですか！智兄中学生ですよ!? そんな中学生を約4日も1人になんて、させられないじゃないですか！」

s「心配は、有り難いけど 4日経ったら4人共帰って来るんだしおいら留守番ぐらい出来るから」

「そう言う事言ってるんじゃないんですよ！」

s「･･････今回は、重なっちゃったけど、例えばさ、翔兄達と日にちが重ならなかったら和は、行かないって言った？
翔兄達だけが、修学旅行だったら行かないでって言った？」

感情的になってる僕とは、違って少し間を開けて優しく聞いてくる智兄
問いかけを頭の中で繰り返して考えてみる

本当に今回は、偶々日にちが重なって4人が、家を空ける事になる
でも、もし仮に2人だけだったら僕は、どうした？こうやって感情的になったか？
いや、多分ならないしかも、何時もみたいにｹﾞｰﾑしながら見送っただろう
それなのに、大好きな智兄1人が残るって言う事だけを考えてしまって、誰か1人は、残った方が良いだろうって思って感情的になっていた

智兄に言われて冷静になった僕は、"いえきっと、ならないです"と答えると、"んふふ"と笑われ、"おいらも、そう思う"と言われた
只、それだけなのに何故か、今まで熱くなっていたのが嘘みたいに冷静で居られる

いきなり考えを変えた、雅兄も感じたんだろうか
こうやって、優しく微笑み小さな子を宥める様な言い方で問う智兄が、母さんに似ていると
きっと、感じたから変えたんだろうけど、何だか雅兄と感覚が似てるのは、少し嫌な気もするけど
今なら、良いやと素直に思えてる僕自身に笑った

でも、素直に、"行きます"とは、言えないから、渋々折れた感じに、"分かりましたよ行って楽しんできますよ"と言ったら
満足したのか、ふにゃっと笑って、"おう楽しんでこい"と言いながら僕の頭を撫でた
智兄の行動に少し驚いたけど、相手は、智兄ですから
鬱陶しくも、手を振り払ったりせずに、素直に撫でられる僕
そんな僕を見て、ﾆﾔﾆﾔしてる雅兄には、後で悪戯するとして
折角、智兄が、"皆行って良い"と言ったんですから、行って楽しんでお土産を買ってきてあげないと駄目ですね