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「次のお客様、どうぞ〜」
私が呼び掛けると、向かって来たのは…
「げ、憲剛…」
「なんだ、げ、ってのは!」
「あー、何でもない。…何処か怪我したの?」
すると、憲剛ははっ、と笑う。
「な訳ねぇよ。勘久郎は」
「確か今呼ばれて…どっか行った」
「雑だなおい」
憲剛のつっこみが炸裂する。しかし、言い返せない。その通りだもん。
「そうだ、A。朝勘久郎に怒られたか?」
「え、なんで知って…あ」
頭をフル回転させる。私が士門君に会ったのは、朝6時頃。確か、今日は斑鳩家の任務があったはず。もし、憲剛が今日の朝早く結界の当番だったとすれば、…会ってるじゃん。
「士門君から聞いたの…?」
「ん?聞いたが?」
「それ、勘久郎に言ったの…?」
「まぁな」
あぁ、士門君。勘久郎には言ってなかったんだね。偉い、偉い。でもね、
「憲剛にも言わないでよ…」
憲剛から勘久郎はほぼほぼ筒抜け状態だもん。
「まぁ、いいだろ。大して怒られてなさそうだしなぁ」
「まぁ、ね。そんなに怒られては無いけどさ」
私がいじけていると
「なんの話してるんスかぁ?」
「おぉ、勘久郎か。良いとこに来た」
「は?何言ってんの?何の話?」
「なんスかぁ?僕に関係ある話スかぁ?」
まさか、憲剛。こいつ…
「朝勝手に走ろうとしてたの、もう少し言っといた方が良いと思うぜ?」
「あぁぁああっ!もう十分分かってるから!もう十分だから〜っ!!!」
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水麟 - 紅 こべにさん» ありがとうございますっ!凄く嬉しいです!(満面の笑み) (2019年5月3日 16時) (レス) id: 65c8c71a9b (このIDを非表示/違反報告)
紅 こべに - 面白すぎませんかこういうシリアス大好きです(真顔) (2019年4月27日 6時) (レス) id: 64e65a2b60 (このIDを非表示/違反報告)
水麟 - おりんさん» ありがとうございます!嬉しいの一言です! (2019年4月1日 19時) (レス) id: 0dc0777a12 (このIDを非表示/違反報告)
おりん - 水麟さんの作品は全部好きやなぁ…(キラキラ) (2019年3月30日 11時) (レス) id: be6cccc8ca (このIDを非表示/違反報告)
おりん - え、何これメチャおもろ (2019年3月30日 11時) (レス) id: be6cccc8ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水麟 | 作成日時:2018年11月14日 16時