-16- ページ20
_____________暗い。
暗い所にいた。
誰かの声がする。えっと、誰だっただろう。
でも、確かに聞いたことがある声なんだ。
あ、何か話してる。
笑い声、かな。うん、多分そうだ。
でも、何かおかしいとか、おもしろいとかじゃなくて
もっと暖かくて優しいような。
あ、声色が変わった。
これはすぐ判る。
私、だ。
でも今より荒れてるな。
声が聞き取れた。
『―――もう、ここ、辞めるね――――――』
あぁ、そうゆうことか。
これ、私が水度坂病院を辞めた日だ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
右肩と右のふくらはぎ、あと腹部が痛む。
色んな箇所に巻かれた包帯には血こそついていないが、中はまだ抉れているんだろうなと思うと吐きそうになる。
大した戦闘もしていないのにこれ程の痛み感じる。それはやはり、生身の人間と真蛇の違いだろう。身体強化の霊符もなしに人間が戦えばこうなるんだと身をもって体験した。あの子達に話して笑われるエピソードが増えてしまった。
―――もっとも、あの子達がまだ存在すればだが。
泣きたくなかった。泣いてはいけないと思った。
頭で理解していても、こうゆう時の涙はそう簡単に止まってくれないのだ。…質の悪い。
「何泣いてるんスか」
「か、勘久郎…」
ついさっき目の覚めた私と違い、勘久郎はもう少し早く目覚めていたという。流石、十二天将だ。
けれど、そんなことどうでもいい。私に向かって苦笑する勘久郎もどうでもいい。いつもと違う、白衣を着ていない勘久郎だってどうでもいい。
ただただ、整った顔の半分を隠しているマスクだけがきになって仕方なかった。
その意味は、嫌なくらいすぐ解る。
龍燕ノ法―――ケガレ喰いを封印したのだ。
そのことがどれほどのことなのか、考えなくともわかる。
目の前が白くなり、黒くなり、頭が回らない。
次の瞬間、私はどうしようもなく馬鹿な事を言っていた。
「私もう、ここ、辞めるね」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
シリアスですね。
そして、こんなシリャス作品なんぞ読んでられっか!!!
とゆう方に朗報です。
ギャグ作りました。
たいしたことじゃねーな。
でも、読んで欲しいです!
『土御門島を支配せよ!【ギャグ】』
ってやつです。よろしくお願いします!
43人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水麟 - 紅 こべにさん» ありがとうございますっ!凄く嬉しいです!(満面の笑み) (2019年5月3日 16時) (レス) id: 65c8c71a9b (このIDを非表示/違反報告)
紅 こべに - 面白すぎませんかこういうシリアス大好きです(真顔) (2019年4月27日 6時) (レス) id: 64e65a2b60 (このIDを非表示/違反報告)
水麟 - おりんさん» ありがとうございます!嬉しいの一言です! (2019年4月1日 19時) (レス) id: 0dc0777a12 (このIDを非表示/違反報告)
おりん - 水麟さんの作品は全部好きやなぁ…(キラキラ) (2019年3月30日 11時) (レス) id: be6cccc8ca (このIDを非表示/違反報告)
おりん - え、何これメチャおもろ (2019年3月30日 11時) (レス) id: be6cccc8ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水麟 | 作成日時:2018年11月14日 16時