花 婿 候 補 は １０ 人 の 訳 あ り 執 事 ！ ？【２】

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貴方 side





いつも笑顔で、優しくて、仲間思いで

眩しい紫耀くんに、過去があったなんて









きっと、誰も予想できなかった。







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紫耀「なんども、身体重ねて……汚くなってって、…だけど、もう抜け出せんくって……」






紫耀「無意識の内に、求めとった……母さんが、帰ってきてくれるかも知らん、そう思って、おれ は っ……」






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紫耀「……Aちゃん、俺のこと綺麗やって言うたやん？」




「…うん。」









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紫耀「…俺は、根っこから腐っとる。汚い、ダメな人間なんよ。」







涙を、流すわけでもなく

ただ笑った紫耀くん。





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どこまで、大人は貴方を傷つけたの？


どこまで、貴方は大人に傷つけられたの？









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紫耀「俺は。彼奴と……母さんを、重ねてたんや…」





「えっ…？」









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草木が、ざわめく。


偶然のようで、必然に。






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紫耀「俺、記憶の中の母さんを愛してた。」









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紫耀くんは、私に優しく微笑んだ。







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紫耀「俺は、Aちゃんや廉たちみたいに綺麗な人と、生きちゃあかんの。」







「そ、そんなこと っ！！」紫耀「A。」









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呼ばれた名前が、淡く心に沈んでく。







紫耀「せめて、俺は母さんの全てを愛してたかった….っ。」







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そう呟く紫耀くんには、

もっと深い傷が残ってる。








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「聞かせて、全部。」






傷は、私が全部

呑み込んであげるから。

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