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桃side
緑「のんちゃん!しげ!」
神山の声を皮切りに、メンバー達が息を荒くして、小瀧と重岡の元へと走ってくる。
本来であれば次の曲に向けて、着替えをしなければならない時間ではあるが、誰もそれを切り出したりはしなかった。
緑「二人とも、怪我ない?」
桃「俺はしげが庇ってくれたから大丈夫やったけど、」
赤「俺もへいき〜!」
伺うような小瀧の視線を払いのけるように、重岡は迷いなく告げる。
なんてことないように言うけれど、さっきまで気を失ってたのは間違いない。
その姿に中間の眉がかすかに寄る。
黄「しげお前ほんとに、、」
紫「しげちゃんほんまに大丈夫なんか?ステージ上からでもえらい音なったん分かったで?」
青「ほんまやで、、見たところ外傷はなさそうやけど、どっか打ったりしとるんやない?」
メンバーの心配そうな表情に笑って大丈夫だと言い返してみせるけど、ほんまに大丈夫なんか?
赤「ファンのみんなは?大丈夫やった?」
重岡がそう尋ねると濱田は苦笑いを零した。
紫「俺らよりも二人が落ちてくんがはっきり見えとったみたいで、一瞬悲鳴は上がったけど、淳太が俺らが確認してくるからジャス民たちはちょっと待っとってなってとりあえず場はおさめてきたで。今はジュニアがつないでくれとる」
赤「ほんならはよ元気な姿見せた方がええな」
重岡は冷静にそう言うとゆっくりと立ち上がるが、その瞬間に重岡の表情がわずかに険しくなるのを小瀧は見逃さなかった。
桃「ちょ、しげ、足やっとるやろ」
赤「うーん?あ〜そうみたいやなあ、、」
ミスがバレてしまったというように、苦い顔をした重岡を見て小瀧は胸が締め付けられる。
いつもふざけてミスして怒られるのは重岡だけど、今回のことは重岡は何も悪くないのに、どうして自分が悪いみたいな顔をするのだ。
赤「やけど残りはバラードとアンコールだけやし、痛みもちょっとやで!大丈夫や!」
重岡に真っ直ぐな目でそう告げられて、小瀧は拳を固く握りしめた。
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りく(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、初めまして!ありがとうございます^^なるだけ温かい雰囲気にしたかったので、嬉しいです。短編集の方も感想いただいていて、とっても嬉しいです!またぜひ読んでください^^ (2022年2月11日 0時) (レス) id: d55341bf94 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 初めまして!とても読みやすくて一気に読んでしまいました!言葉一つ一つが優しくて読んでいてとても気持ちよかったです。是非他の作品も読んでみたいので、新作楽しみに待ってます! (2022年2月10日 18時) (レス) @page35 id: 44583c8f5b (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - けーた。さん» けーた。さん、初めまして^^想像を膨らませるのが苦手で、ついつい細かく書いてしまったのですが、そんな風に言っていただけて嬉しいです。またちょこちょこ書き進めているものがあるので、良かったらぜひ、読んでください!ありがとうございます! (2022年2月9日 11時) (レス) id: d55341bf94 (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - 初めましてで失礼します。こちらのお話最後まで楽しみに読ませて頂きました。描写が繊細で展開も気になりつつ最後には温かい気持ちになる素敵なお話でした(*^^*)私も愛される赤さんが大好きなので、また違うお話書かれるようでしたらぜひ読ませて頂きたいです✻ (2022年2月8日 22時) (レス) @page35 id: 857c9b8bce (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - ナツさん» ナツさん!素敵なお話なんて、、嬉しいです、ありがとうございます^^! (2022年2月8日 20時) (レス) id: d55341bf94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りく | 作成日時:2022年2月4日 17時