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桃side
赤「黙っとって、ほんまにごめん」
素直に告げられて小瀧はぐしっと手の甲で涙を拭う。
必死に目を見開いて、涙なんかで重岡の一挙手一投足を逃したくない。
赤「常に見えへんわけやないのよ。たまに視界が狭いなって思ったり、明かり、例えばスポットライトとかに目が弱くなったり」
重岡は膝に拳を置いたまま続けた。
赤「失明するとか、そういう話やなかったからみんなによけいな心配をかけたくなかってん」
桃「だから黙ってた?」
赤「、、うん」
肩を縮込めて頷く重岡に小瀧はため息を飲み込んだ。
神山に言われたことは忘れたわけではないし、小瀧自身、重岡を責めるつもりなどさらさらない。
けれど藤井と共に導いた答え通りで、少し悲しい。
桃「俺らのこと心配させたくないからっていうのは、しげの優しさかもしれん」
赤「、、」
桃「やけど、言ってくれんかったの、俺はすごい悲しかった」
素直な気持ちを吐露すると重岡が勢いよく顔を上げた。
泣きそうに歪められた表情に小瀧の胸まで痛んでくる。
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りく(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、初めまして!ありがとうございます^^なるだけ温かい雰囲気にしたかったので、嬉しいです。短編集の方も感想いただいていて、とっても嬉しいです!またぜひ読んでください^^ (2022年2月11日 0時) (レス) id: d55341bf94 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 初めまして!とても読みやすくて一気に読んでしまいました!言葉一つ一つが優しくて読んでいてとても気持ちよかったです。是非他の作品も読んでみたいので、新作楽しみに待ってます! (2022年2月10日 18時) (レス) @page35 id: 44583c8f5b (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - けーた。さん» けーた。さん、初めまして^^想像を膨らませるのが苦手で、ついつい細かく書いてしまったのですが、そんな風に言っていただけて嬉しいです。またちょこちょこ書き進めているものがあるので、良かったらぜひ、読んでください!ありがとうございます! (2022年2月9日 11時) (レス) id: d55341bf94 (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - 初めましてで失礼します。こちらのお話最後まで楽しみに読ませて頂きました。描写が繊細で展開も気になりつつ最後には温かい気持ちになる素敵なお話でした(*^^*)私も愛される赤さんが大好きなので、また違うお話書かれるようでしたらぜひ読ませて頂きたいです✻ (2022年2月8日 22時) (レス) @page35 id: 857c9b8bce (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - ナツさん» ナツさん!素敵なお話なんて、、嬉しいです、ありがとうございます^^! (2022年2月8日 20時) (レス) id: d55341bf94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りく | 作成日時:2022年2月4日 17時