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桃side
桃「しげ?」
赤「へ、あ、なん?」
慌てたように振り返った重岡は冷蔵庫を閉めると小瀧の方へと振り返った。
桃「照史の料理上手いやんなって」
赤「あ、ああ、そうやね。俺も照史は子供おると思うわ」
そう言って笑う重岡に小瀧は眉を寄せた。
なにか変なことを言っただろうかと思ったが、ここまで重岡の気に障るような会話はなかったはずだ。
燈「しげ、レモン入ってへん〜?」
赤「あ、えっと、ちょい待って〜」
桐山に声をかけられ、重岡は急いで冷蔵庫を再び開ける。
頭を突っ込むような勢いで冷蔵庫の中へ手を伸ばしたかと思うと使いかけなのかラップが巻かれた半分のレモンを取り出した。
赤「あったで!」
燈「おう、ありがと。望もみんなもちょっと待っててな〜。もうすぐできるで」
桃「おー」
紫「さっき食べてた残りもあるし、おつまみは大丈夫そうやな!お酒もスタッフさんが準備してくれとるみたいだし、飲もうで〜!」
桃「お酒も準備しといてくれるとかほんま太っ腹やわ」
口先で会話をしながらも小瀧は頬杖をついて重岡の様子を眺めていた。
すでに桐山の作っていたスープを器にうつす重岡の手つきはいつもと変わらない。
桃「なあ、しげさっきさ」
赤「へ?ほい、出来たでこたき!これあっちに運んでや〜」
桃「わ、うまそー!」
目の前に置かれたスープにお腹がぐぅっと音をたてたのが分かった。
桐山が作ってくれたごはんと、お酒と、事前にスタッフさんが買ってきてくれたものをテーブルの上に並べて、それぞれソファやマットの上に腰を下ろす。
濱田と神山はお酒ではなくジュースを持って、
虹「では、かんぱ〜い!!」
大好きなメンバーと、桐山が作ってくれたごはん、そしてさらに重岡が注いでくれたスープ。
全部が好きの塊で、お酒より先にスープに口をつける。
お腹も、心も幸せに満ち足りる。
やはりこの7人といる空間が、今の小瀧にとってかけがえのない大好きが詰まった場所なのだと思った。
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りく(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、初めまして!ありがとうございます^^なるだけ温かい雰囲気にしたかったので、嬉しいです。短編集の方も感想いただいていて、とっても嬉しいです!またぜひ読んでください^^ (2022年2月11日 0時) (レス) id: d55341bf94 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 初めまして!とても読みやすくて一気に読んでしまいました!言葉一つ一つが優しくて読んでいてとても気持ちよかったです。是非他の作品も読んでみたいので、新作楽しみに待ってます! (2022年2月10日 18時) (レス) @page35 id: 44583c8f5b (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - けーた。さん» けーた。さん、初めまして^^想像を膨らませるのが苦手で、ついつい細かく書いてしまったのですが、そんな風に言っていただけて嬉しいです。またちょこちょこ書き進めているものがあるので、良かったらぜひ、読んでください!ありがとうございます! (2022年2月9日 11時) (レス) id: d55341bf94 (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - 初めましてで失礼します。こちらのお話最後まで楽しみに読ませて頂きました。描写が繊細で展開も気になりつつ最後には温かい気持ちになる素敵なお話でした(*^^*)私も愛される赤さんが大好きなので、また違うお話書かれるようでしたらぜひ読ませて頂きたいです✻ (2022年2月8日 22時) (レス) @page35 id: 857c9b8bce (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - ナツさん» ナツさん!素敵なお話なんて、、嬉しいです、ありがとうございます^^! (2022年2月8日 20時) (レス) id: d55341bf94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りく | 作成日時:2022年2月4日 17時