ミニ栽培キット〜短編集〜【畑】

teacher〜やふへゐ〜 ページ3

先生に彼女ができた事を昨日知った。

好きだったのに。

無理って分かってたのに。





まぁとにかく

今日の授業はサボろう。

それでまた明日から

新しい恋を探しに行こう。









屋上の扉を開ける。

最近ちょっと涼しくなってきた。

床に座る。

(??) A？

(A) ｯ!先生……

(やふへゐ) サボるなよ〜

(A) 先生もサボってるじゃん！

(やふへゐ) 先生はこの時間フリーだからな〜！

(A) ズルいわぁー

(やふへゐ) (笑)

(A) てか、先生彼女できたの？

(やふへゐ) まぁなー

(A) いいな〜

(やふへゐ) 俺の彼女、めっちゃかわいいんだよ！優しくてさぁ……

これ以上聞きたくない。

泣きそうになるのを堪えて

笑顔で相槌を打った。

(A) 惚気かよー！

(やふへゐ) もう毎日楽しい！








泣くな。泣いちゃダメだ。

そう思えば思うほど

涙は溢れてくる。

(やふへゐ) えっ！どうしたの！？

(A) なんでも、ないから……鼻炎。最近涼しくなってきたしさ……

(やふへゐ) あ、そっか。俺も鼻炎だから薬持ってるよ！

(A) ありがと。

頭いいクセに。

何でこんなに鈍感なの？

(やふへゐ) あ、もうチャイム鳴ったから行くわ！じゃあまたー！

(A) うん、薬ありがとね。



私さ、

先生のこと好きなんだよ。

そう思いながらも私は、

先生の背中を見送ることしかできなかった。

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