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「ほんっ…と腹立つ…!!

何でランクとかいうクソくだらねぇもんで人を見下すのか…意味分かんねぇ……!!」


店のドアを閉めるなり、

ヴァルは若干、声を荒らげる。


「ま、まぁまぁ…仕方ないです……。

じゃなくて、仕方ない…よ。

そういう風習なんだから…」


僕は必死にヴァルを宥める。

…………。


「…何だよ主。俺の顔凝視して」


「え……いやその…初めてだなって」


「何が?」


「僕のことを気にかけてくれる人なんて…

…今まで居なかったから」


ふと目線を落とす。

悲しくないなんて思ってたけど、

今、何故か急に悲しくなる。


「……そんな悲しそうな顔すんな。

これからは俺が居る」


背の高いヴァルは、

目線を合わせるよう少し屈んで、

僕の頭を軽く叩く。


「………………」


…よく考えろ。

この人はSランクだぞ。


何で、何で僕なんかに構うんだ…?


やっぱり…

どこか面白がって契約したんじゃないか?


そうだ、この状況はおかしい。おかしすぎる。


「さてー、服選ぶかー。

さっきの色が色々あるみてーだけど、

どれが良いー?」


そんな僕の考えなんか何処へやら、

ヴァルは店内を物色しだす。


途端、怖くなってきた。


裏で笑われてるんじゃないのか。


ヴァルに…高ランクの仲間がいて、

つるんでやってるんじゃないのか。


でも、1番怖いのは…。


そんな事をどこかで考えてるのに、

その守護神に、心を許しそうな自分が居ること。


ヴァルの後ろ姿を見て、

音を立てないようにドアを開け店を飛び出し、

何処へとなく走る。


駄目だ…怖い。


心を許して、裏切られるのが怖い。


…“2度目”なんて、……もう、嫌だから。


「あ、さっきのつまんねぇ投影会したFランクじゃねぇか」

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朔月(??)(プロフ) - クレキさん» ありがとうございます!!(*´▽`*)主もヴァルもクレキさんを愛します← (2019年5月28日 21時) (レス) id: 677fbe071b (このIDを非表示/違反報告)
クレキ - この2人の雰囲気が温かくて大好きです!主もヴァルも愛してます! (2019年5月28日 14時) (レス) id: ddf6620f0e (このIDを非表示/違反報告)
バキューム砂月(??)(プロフ) - kisaragi_gigoroさん» ありがとうございます!!(´;ω;`) (2019年4月23日 16時) (レス) id: 3aa50aad4f (このIDを非表示/違反報告)
kisaragi_gigoro(プロフ) - 尊きことこの上ない (2019年4月23日 11時) (レス) id: 69904253c9 (このIDを非表示/違反報告)
朔月α(プロフ) - レイアさん» キュ○べぇではないですね笑 (2019年3月30日 17時) (レス) id: ab8cd8723d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔月α | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/082301153/  
作成日時:2019年1月15日 17時

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