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#29 ページ31

「いやいや、火の魔術は苦手なんだ。

守護神にも、それぞれに得意分野があってよ。

それこそ…火が得意な奴もいれば、

水が得意な奴もいる。風が得意な奴もいる。


俺は魔術のセンスなくてよ…。

影召喚だけ人並みに出来る…んだけど。

でも、虎を2匹出せたのは今回が初めてだ。

何でだろ。いつも1匹で精一杯なのによ」


「調子が良かった…とか?」


「かもしんねぇな。精神的な問題かも。

…主を抱きしめながら創ったら、

めちゃくちゃ調子が良いのかもしれねぇ」


ヴァルは肩を揺らして、「くくっ」と笑った。

そんなことを言われると、僕は困るわけで。


「えっ……僕は関係ないでしょ…!?

知識も無いし…魔力も無いし……」


あたふたとする僕を、

ヴァルは愉しそうに見つめる。

……うぅ、ヴァルはたまに意地悪だよ…。


「…ん、あれじゃねーか?次の国」


「ほら、あれ」と、

ヴァルは少し見てきた国壁を指さす。


「あ、ほんとだ…!!」


「にしても主、馬車とかでも良かったんだぜ?

しんどくねーか?」


「うん。大丈夫。出来れば歩きたかったから…。

ごめん、ヴァルこそしんどかったかな…?」


「いや。俺の事は気にすんな。

しんどくねーし、のんびり歩くの好きだからよ」


マントを靡かせながら、ヴァルはそう言った。


「そ、そっか…!!良かった…」


「…主。ここで1つプレゼントがあんだけど」


「え…?何?」


ヴァルはマントの内の肩掛けカバンから、

何かの袋を取り出した。


中身はと言うと。


「あ…パンだ…!!」


僕が昨日の夜から朝にかけて、

沢山食べたパンの数々だった。


「主がいたく気に入ってたからよ。

何個か貰ってた。

着いたら昼飯で食べよーぜ」


ヴァルは屈託のない笑顔を見せる。


「ありがとう、ヴァル…!!」


僕も、笑顔になれた。

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朔月(??)(プロフ) - クレキさん» ありがとうございます!!(*´▽`*)主もヴァルもクレキさんを愛します← (2019年5月28日 21時) (レス) id: 677fbe071b (このIDを非表示/違反報告)
クレキ - この2人の雰囲気が温かくて大好きです!主もヴァルも愛してます! (2019年5月28日 14時) (レス) id: ddf6620f0e (このIDを非表示/違反報告)
バキューム砂月(??)(プロフ) - kisaragi_gigoroさん» ありがとうございます!!(´;ω;`) (2019年4月23日 16時) (レス) id: 3aa50aad4f (このIDを非表示/違反報告)
kisaragi_gigoro(プロフ) - 尊きことこの上ない (2019年4月23日 11時) (レス) id: 69904253c9 (このIDを非表示/違反報告)
朔月α(プロフ) - レイアさん» キュ○べぇではないですね笑 (2019年3月30日 17時) (レス) id: ab8cd8723d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔月α | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/082301153/  
作成日時:2019年1月15日 17時

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