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#42 ページ44

「にゃめぇへぇぇ…」


「何だよ主。ちゃんと話せ」


「にゃめぇへっへびゃぁぁ…」


自分的には「やめて」、「やめてってば」と言ってるつもりなんだけど…伝わってないのかな……。


「えへへー、やだ」


ヴァルは、

語尾にハートが付くような言い方をする。


って、ちゃんと伝わってるじゃん…!!


「ほれほれ、うりゅりゅーって言えよ」


「う、うぅ…っ」


ああ…視界が潤んできた…。


「……えっ…主、泣いてんの…!?

わ、わりぃ!!やりすぎたか?!」


「グスッ…う、うわぁぁん…!!

…ヴァルの意地悪ううぅ…!!」


ヴァルの拘束を抜け出すと、ドアへと走る。


勿論、そのドアは開かない。


多分、ヴァルの魔法がかかってるんだろうけど。


「開けてよ……開けてよぉぉ…!!」


「ぬ、主、俺が悪かったよ…。

もうしないから、こっちこいって」


「やだあ、ぁ…!!ヴァルなんか…、

ヴァルのことなんか…もう嫌いだぁ…!!」


「……かなりやりすぎたみてーだな…。

主、ごめんって。こっちおいで」


どうせいじられるんだ…。


僕はドアを背にして、

こちらに歩み寄ってくるヴァルに、只々怯える。

ヴァルは僕の目の前まで来ると、


「…主」


そう呼び、

ドンッと音を立て、肘から先をドアにつけた。


その分、僕らの距離がぐっと縮まる。


「…もう泣かないでくれ。俺が悪かったよ」


そう言いながら、壁についていない方の手で、

僕の涙を、細くて綺麗な指で拭う。


悲しそうな面持ちで、ヴァルは言葉を紡いだ。


「……ちょっと…寂しかったんだ。

俺以外の誰かと、仲良くしてるのを見たら…、

…寂しかった」

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朔月(??)(プロフ) - クレキさん» ありがとうございます!!(*´▽`*)主もヴァルもクレキさんを愛します← (2019年5月28日 21時) (レス) id: 677fbe071b (このIDを非表示/違反報告)
クレキ - この2人の雰囲気が温かくて大好きです!主もヴァルも愛してます! (2019年5月28日 14時) (レス) id: ddf6620f0e (このIDを非表示/違反報告)
バキューム砂月(??)(プロフ) - kisaragi_gigoroさん» ありがとうございます!!(´;ω;`) (2019年4月23日 16時) (レス) id: 3aa50aad4f (このIDを非表示/違反報告)
kisaragi_gigoro(プロフ) - 尊きことこの上ない (2019年4月23日 11時) (レス) id: 69904253c9 (このIDを非表示/違反報告)
朔月α(プロフ) - レイアさん» キュ○べぇではないですね笑 (2019年3月30日 17時) (レス) id: ab8cd8723d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔月α | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/082301153/  
作成日時:2019年1月15日 17時

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