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09. ページ10

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「嫌い嫌い嫌い嫌い」

「Aちゃん、落ちついて……?」

「だってスマホ没収とかおかしくない!?」

「勉強会にスマホが必要なわけないでしょ。放っておくとAはすぐスマホ触るし」



無一郎に冷ややかな目で一蹴され、
返す言葉がなく睨みながら黙る。

15:30。
今日は両親も兄もいないという
無一郎の家で勉強会をすることに。
先程、大きなテーブルがある和室で
勉強道具を取り出し始めたばかり。

一度も家に帰っていないため
全員制服姿だ。



「はい、ふざけてないで勉強始めるよ」

「え、もう? やる気上げるために推しの動画……」

「うん数Aのワーク開こうね」



話聞いてないなこいつ。
(それは僕のセリフだよ。By無一郎)












カリカリ、と。
シャーペンが走る音だけが聞こえる。

勉強は正直苦痛でやりたくないけれど、
あの高校受験期の勉強量を考えれば
これくらい可愛いものだと思えてしまう。
まあ嫌であることに変わりはないけど!!



「ねえ無一郎くん、この問題わからなくて……教えてもらえるかな?」

「ん……僕、今この問題に集中してるから、伊黒さんに聞いてみてくれる?」

「わかったわ! 邪魔しちゃってごめんね」



ちらり、と顔を上げると
珍しく難しい顔をしている無一郎と、
申し訳なさそうに頷く蜜璃。

興味本位で無一郎が解いている
問題を覗き込んでみる。



「うへぇ……なにこれ」

「大学受験で出やすい応用問題」

「こんな問題、わたし秒で諦める自信ある」

「そんな自信持たないで?」



そう言ってまた問題に向かう無一郎。
伏せられた瞳。
……なんか、悔しいけどかっこいいな。



「……これも応用問題ではないかね。時透が解いているものほど難しいものではなさそうだが……すまない甘露寺、俺にもわからない」



しばらくして、
伊黒の悔しそうな声が耳に入る。
どうやら蜜璃が無一郎に聞いた問題は、
伊黒にもわからなかったらしい。



「そうなの、よっぽど難しい問題なのね……ありがとう伊黒さん、無一郎くんが今解いている問題が終わったらまた聞いて、」




「ね、この公式使うんじゃない?」





3人の視線がこちらに集まる。



「ほら、この例題とその問題、微妙に違うけれど元は似てるくない? この公式に当てはめて展開して、」

「……すごい」

「へ?」



待って無一郎が人を褒めるとか
世界明日で終わっちゃうのかもしれない。

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楪 日織(プロフ) - さくらさん» さくらさん、コメントありがとうございます!! 前作も読んでいただけているなんて…全ての言葉が光栄で嬉しすぎます😭 引き続き頑張りますので、これからも応援していただけると嬉しいです~!🙌🏻 (6月16日 7時) (レス) id: ce3facaf56 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - こんにちはッッ!いつも見てます!!あなたは神ですか?夢主ちゃんと見てた映画に‥そのッッ「例え猫でも愛してやるよ。」の台詞がッッ無一郎くんの台詞がッッこれは感激してしまってコメントしましたぁこれからもガンバってくだせぇ😭(急な江戸っ子) (6月11日 20時) (レス) @page7 id: b75e9c1e96 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:楪 日織 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kasumi88/  
作成日時:2023年4月9日 19時

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