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08. ページ9

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88回生 一学期中間考査




「ついにこの時が来てしまった……」



先生から配られた
地獄行き切符……んん"、テスト範囲表。

机に突っ伏して項垂れるわたしの背を、
蜜璃が優しく撫でてくれる。
その蜜璃の顔も少し強ばっていた。


テストと聞いて顔が変わらないのは、
数学学年1位(時透無一郎)理科学年1位(伊黒小芭内)くらいだ。
ちなみにその2人は顔色ひとつ変えず、
テスト範囲表を見つめていた。



「でもAちゃん、勉強得意じゃない! 入学してすぐのテストも高得点だったし、小テストだっていつも満点だし!」

「数A以外はね……」



自分で言うのもなんだけれど、
わたしの成績は悪くない。
どっちかというと良い方だと思ってる。

入学確認テストも学年上位だったし、
小テストも高得点をキープできている。
けれどそれは、高校受験期に
積み重ねた努力が大きいわけで。


ちらり、と横を見ると
飄々とした顔のままの無一郎。
ばちっ、と目が合う。
そのまま見つめ続ける。



「……はあ」



じーっ。



「……わかった。教えてあげるよ」

「やったー!!」



わたしの視線に流石に折れたのか、
頷いて了承してくれた。
もっと面倒くさがると思ってた。



「ね、無一郎くん。その勉強会、良かったらわたしも参加していいかしら!」

「うん、いいよ」



無一郎がそう答えた瞬間、
"俺は関係ない"みたいな顔をしていた伊黒が
速攻でこちらを向いた。



「待て。甘露寺が参加するなら、俺も参加させろ。化学なら俺も教えられるからな」

「もちろん。僕も化学教えてほしいなって思ってたから助かるよ」

「え!? 伊黒さんも参加するの!?」



勉強会の参加許可を貰い
ガッツポーズをしていた蜜璃が
驚いたように飛び上がった。

まあ蜜璃が勉強会参加するなら、
そりゃこの男も参加するでしょうね……。
蜜璃のことが大好きなんだもん。



「……だめだったか?」

「ううん、全然! むしろ嬉しいわぁ。実は化学が1番苦手なの。伊黒さんがいてくれたら心強いわ」

「そ、それは良かった」



嬉しそうにニコニコと笑う蜜璃と、
ほっと胸を撫で下ろす伊黒。
とっととくっつけ。



「Aが1番苦手なの数Aだっけ」

「うん。ほんとに日本語?って思ってる」

「使われているのは数字とアルファベットだから、日本語じゃないよ」

「うんそういう意味じゃないんだよねー」

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楪 日織(プロフ) - さくらさん» さくらさん、コメントありがとうございます!! 前作も読んでいただけているなんて…全ての言葉が光栄で嬉しすぎます😭 引き続き頑張りますので、これからも応援していただけると嬉しいです~!🙌🏻 (6月16日 7時) (レス) id: ce3facaf56 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - こんにちはッッ!いつも見てます!!あなたは神ですか?夢主ちゃんと見てた映画に‥そのッッ「例え猫でも愛してやるよ。」の台詞がッッ無一郎くんの台詞がッッこれは感激してしまってコメントしましたぁこれからもガンバってくだせぇ😭(急な江戸っ子) (6月11日 20時) (レス) @page7 id: b75e9c1e96 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:楪 日織 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kasumi88/  
作成日時:2023年4月9日 19時

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