さん ページ3
その相手もさ、経験のない私にもわかりやすく言ってくれたら良かったのに。と言い訳をした。
まぁ良いか。
流石に一生ネタにされることはないだろうし。
一時的にこのネタでいじられるくらいなら許せる。
フッ、と息を吐き、次は酒を一口だけのんだ。
em「……そういえば、逆にAさんはどうなんですか？ 私だけ言うのはなんかズルいです。」
「えー？ 聞きたい？ えっとねぇ、最近合コンに連れてもらったんだけどさー友達に。
で、なんかまぁ顔が良いやつはいたんだけどね？
んで、私お酒たくさん飲んでたときにその顔はいいやつに何か言われた。
気づいたときには付き合ってた。付き合って１週間くらいした頃、浮気してる現場見たから別れた。
……そのくらいかなぁ？」
あぁ、これは聞かなければよかったと後悔した。
自分がその立場だったらずーっと寝込んでいそうだ。付き合った経緯が何であれ。
それにも関わらず、Aさんは落ち込んでいる様子もなく、笑いながら話してくれた。
ということは今回の件はあまり彼に興味は持っていなかったのだろう。
「気がついたら〜」とか「何か〜」を多様していたし。
「別に、私、男なんて興味ないんだー。」
em「何となくわかっていました。」
「そう？ あ、エミさんは別ね。」
「男性」という、性別を気にせず男女ともに接しているから。
そりゃあ異性を気にしたことも、興味を持ったこともないのは納得。
彼女は一人が寂しいから、無理やり相手を探して穴を埋めようとしているのだろう。
……それは私だ。
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作者名：ぐりんてぃ | 作成日時：2021年12月24日 20時
