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二つの吊り革につかまって、懸垂のようにしてわたしに話しかけてくる重岡。


重岡「 よかったな、すいてて 」

「 うん、 」


そう笑って、重岡の奥にふと見えた右隣の車両。

笑顔がすぅ、と消えてくのが自分でもわかる。









そこにあったのは、つり革に掴まる小瀧くんの姿。
さっきと変わらない服で、ケータイをいじりながら立っていた。


重岡「 どないした? 」


そんな、重岡の声も聞こえないくらい彼を見つめる。
胸がドキドキする。

迷わずそっちの方に足を進めた。でも小瀧くんは、ケータイの画面を隣に向けた。



その方を首だけを動かしてみれば、見えた人影。






ああ、そう言うことか。
小瀧くんの隣にはゆっちゃんがいた。


ふはって大きな笑い声を出してしまったゆっちゃんの口を塞いだ小瀧くんの手。



楽しそうに見つめ合って、笑って。
今度はゆっちゃんが小瀧くんのケータイを手に取った。




車窓から照りつける夕陽に照らされて、キラキラとしてる二人は、何も言えないほどお似合いで。

息がつまるほど、胸が押し潰されそうになる。



それに負けて目にじわりと浮かぶ涙。



彼がゆっちゃんのこと好きって知るまでは、恋なんてこんなに辛いものじゃなかった。




楽しくて、毎日会えることだけが嬉しくて。



でも、もういまは違う。やめたかった。

でもやめられるはずもなくて。




目から涙がこぼれそうになったその時、


重岡「 山河っ、 」


重岡の焦った顔に我に返った。







重岡「 …どうした? 」


「 え、なんでもない 」


重岡「 うそつけ、 」



重岡がわたしの横に並んで、わたしがさっきまで見てたところを覗いた。
それから「あ」って声を漏らした。



重岡がゆっちゃんのこと見て、辛い顔するのが怖い。

でも、重岡は平気そうな顔して、わたしの前のつり革に掴まると二人の姿が見えないように立った。



わたしがもうこれ以上、辛くならないように。









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楓花(プロフ) - かっぱさん» かっぱちゃん!(笑)ありがとう!告白しました。重岡切ないです。これからもよろしくねっ、(笑) (2017年2月24日 0時) (レス) id: 3e07948000 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱ - とうとう告白したねっ!毎日楽しみにしてるからこれからも頑張って。しげほんとに切なすぎてやばいよ、(泣) (2017年2月24日 0時) (レス) id: d7d81d2943 (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - りんすけ.さん» ありがとうございます。どこまでも切ない重岡くんですが、そこに注目してくださり嬉しいです。更新頑張りますね。 (2017年2月23日 19時) (レス) id: 3e07948000 (このIDを非表示/違反報告)
りんすけ.(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。しげちゃんが積極的ですね……次の更新楽しみにしてます('・エ・`) (2017年2月23日 18時) (レス) id: f5785759a1 (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - こためるこさん» 泣きすぎや、(笑) (2017年2月21日 20時) (レス) id: 3e07948000 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふーのん | 作成日時:2017年1月30日 22時

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