【d!】小悪魔の好き嫌い【WT】 (ページ7)

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2.小悪魔の好きページ7

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彼らに対しての怒りは収まらぬまま家に着く。
ガチャガチャと闇雲に鍵をさして力任せにドアを開ける。

『ただいまぁ…』

私の声が聞こえたのか「おかえり」ときりやんが向こうの部屋から来てくれる。

『やんーーー！！！疲れたよう…！！』

私は思い切り彼に飛びつき、ぎゅっと抱きしめる。彼にとっては日常茶飯事だったので顔色一つ変えずにそれを受け止めてくれた。

「はいはい、何かあったの？」

『うん…生徒会に絡まれて怖かったの。』

「はぁ、どうせAが何かやったんでしょ。」

『むぅ…生徒会の奴らと同じこと言ってる。』

「そりゃそうでしょ、だって昔から問題児だったじゃん。」

『ひどーい。』

「思ってもないのに」

『あ、バレた？』

小馬鹿にするようにケラケラ笑うと、彼は呆れたような表情をうかべる。

「これ以上問題起こしたら学校辞めさせちゃうからね」

『はぁ！？ダメダメ！！！』

「じゃあ守れる？」

『ゔ…分かったって！！』

それを聞くと、彼は「偉い」と言わんばかりに頭を撫でてくる。なんで子供扱いするんだ同い年なのに…。

「あ、そういえば今日帰りにNakamuがケーキ買ってたから一緒に食べてきな。」

『ケーキ！？食べたい！！』

それを聞いて、急激にお腹が減った私は急いで靴を脱ぎ、リビングに向かう。リビングでは既にテレビを囲んでみんなが団欒としていた。

Nakamuは私に気づくと自分の隣に座るように促してくる。

「あー、おかえりA！」

『ただいま！！』

「お疲れ、ケーキAの分もあるよ」

『やった、Nakamuありがとう』

Nakamuは得意げにふふん、と鼻を鳴らす。
これは絶対いつかお返し頼まれるパターンだ。

まあいい。とりあえず今は目の前にあるフルーツケーキを食べよう。

一口食べれば口の中に爽やかな甘みが広がる。
あまりの美味しさに心の声が音に乗ってしまう。

『んまぁぁああああ』

「Aは本当に美味しそうに食べるよね。」

『きんときだって美味しいものは声に出して「おいしい」って言うじゃん』

「そうじゃないんだよなぁ…」

何が違うんだよ、と思いながらも頬張る。

ケーキを食べる一方でBroooockとシャークんとスマイルは食べ終わったのか、テレビにゲームを繋いで遊び始めていた。

みんな同じレベルでマイペースだけど私にとっては1番過ごしやすい環境だった。

この環境が私の【好きなモノ】だ。

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