【d!】小悪魔の好き嫌い【WT】 (ページ27)

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翌日。ようやくこれで私はあのキツい時間から開放される。

まあ、今日が一番キツいかもしれないけど。
なぜなら

『あ、先輩方...お邪魔しまス.......』

今日は先輩、つまり、生徒会長と桃瀬先輩、田緑先輩、そして仁部先輩と食べなければならないのだ。過去一で緊張する。

そういえば、昨日の帰り際桃瀬先輩に｢明日は弁当持って来ないで｣と言われたが、生徒会室に来てみてその理由がわかった。

『え...やば.....！？』

目の前には超豪華なイタリア料理が並んでいるのだ。

「Aには無茶をさせたからな、これは俺達からの感謝の気持ちだゾ。」

『いいんですか！？！？』

「勿論や。好きなだけ食べてな。」

『...ありがとうございます.....！！』

桃瀬先輩にエスコートされ席につく。
何だか何処かの貴族になった気分だ。

てか、何故私がこんなにもてなされているんだ？

だって元々は問題児として監視下に置かれる約束じゃん。
ここまでされる筋合い無いと思うんだけど。

「Aちゃん、はじめまして。オスマンめぅ。」

『オスマン.....？』

「あー、皆からオスマンとかマンちゃんとか呼ばれてるんだよね。」

『なるほど。えっと...』

「仁部爛。ひとらんとからんらんって呼ばれてる。」

『じゃあひとらん先輩ですね。よろしくお願いします。』

「あーズルい！俺もあだ名で読んで欲しいめぅ！」

『...オスマン先輩でもいいですか？』

「もちろんええよ〜！」

ひとらん先輩は関西弁の人が多い中、私と同じ標準語を話しているな、と少しだけ親近感が湧く。

オスマン先輩は私と同じレベルで身だしなみ意識する系の予感がする。だってほんのり香水の香りが漂ってくるもん。

二人ともきっと根は悪い人じゃないんだろうな。うん。

「ところでA、この5日間は如何だったかな？」

『まあ、良くも悪くも前より皆さんとの距離が縮まりましたね。』

「ふむ。それは良かった。どうだ？生徒会も悪くないだろう？」

『...思ってたよりは楽しかったかも...です。』

「なら生徒会に」

『それは嫌です。』

やはりか。

こうやって良い思いをさせて、最終的に自分の都合を飲み込ませようとする。大人でもやる常套手段だ。

本当に誘われる度に思うが、何故こんなヤバい人間を生徒会に引き込もうとするんだ？

とりあえず、何回言われても私は生徒会には入らない。

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