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「まあ、もし何かあったら言ってくださいね。A先輩。」
『えっ。』
「だって先輩生徒会苦手でしょ？それくらい分かります。」
『そっか、分かるんだね。』
「後輩の中なら俺が一番A先輩と付き合い長いんで。」
『.....ありがとう。』
「それじゃ、また。」
『うん、バイバイ。』
軽く頭を下げ、スタスタと教室を出ていくショッピ君。
そういえば、こうやっていつも私の気持ちを汲み取ってくれたな。
あの時...中学の頃の思い出が自然と蘇ってくる。
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「A。もう保健委員辞めてくれないか。」
『は...？』
中学3年生。まだアイドルを続けていた時、私は保健委員に所属していた。
当時から普通の生活を望んでいたため、私にとって委員会活動は憧れだった。だから、勝ち取った時は本当に嬉しかった。
でも、私は今、顧問の先生に｢辞めろ｣と言われている。
何故？私は普通に仕事をしていただけなのに。
『な、何故ですか！？』
「はぁ、お前は自分で考えられないのか。お前のファンか知らないが、お前の担当の日だけ無駄に人が集まるから仕事にならないんだよ。」
キッパリとそう言われる。
そっか。私。あそこにいるだけで皆が寄って来ちゃうんだ。
凄く嫌だし反発したかったけど、実際仕事の邪魔になっているから何も出来ない。わかりました、と小さく呟いて私は謝った。
どんだけ私が望んでも、私は普通の生活が送れないのかな。
アイドルの活動は大好き。私の血となり肉となるほど大切な生きるエネルギーだ。
だけど、こんな思いする時だけはアイドルなんて辞めたいって思ってしまう。
頭を下げたまま職員室から出る。
委員会、続けたかったな。
涙が滲むのを感じるが、そんなこと感じたくないほど悔しかった。
その帰りに出会ったのがショッピ君だ。
荷物を持ってフラフラと廊下を歩く私に彼は声をかけてくれた。｢大丈夫ですか｣と。
見られたことの恥ずかしさが段々と心に積もっていく。
私は慌てて涙を拭った。
『...大丈夫。』
「そんな訳ないっすよね。ほら、ちょっと着いてきてください。」
彼は誰？また私のことを見に来た人？ファン？それともアンチ？
私は抵抗する力もなかったので彼に手を引かれながら廊下を歩いた。
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作者名：らあ。 | 作成日時：2023年1月2日 19時
