【d!】小悪魔の好き嫌い【WT】 (ページ3)

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1.小悪魔の嫌いページ3

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4月。新学期。

私は祈るような思いで、ボードに大きく貼られたクラス表を見る。
どうか、あの人たちがいませんように、と。

しかしその思いも虚しく、私のクラスには【鳥井希】と【黄瀬論吉】の文字があった。最悪。全部で5クラスあるのに何故こんなにも偏っているんだ。

と言うのも、彼らはこの学校の生徒会で女子から圧倒的な人気があった。

だからこそ同じクラスにはなりたくない。
私は極力面倒事には巻き込まれたくないタイプなのだ。

まあ、同じクラスになったとはいえ関わらなければいい話なので、気持ちを切り替えて楽しい高校ライフを送ろう。

重い足取りで階段をのぼり、教室のドアに手をかけた。

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『まじか...』

座席を見て絶句する。私の隣は黄瀬論吉だった。

黄瀬はこちらの存在に気づくと、「おーい！！！」と手を振ってくる。彼とは前のクラスが一緒だったため、ほんの少しだけ顔見知りなのだ...1回も話したことないけど。

私は彼を無視して隣に座り、SHRの時間を待つ。
しかし、黄瀬は気にすることなく話しかけてきた。

「また同じクラスになれて嬉しいで！！これからよろしゅうな！」

『うん...よろしく。』

「えー、反応冷たない？もしかして俺のこと忘れた？ほら、前のクラスで一緒やったシャオロンやで。」

『知ってるけど...』

「なら仲良うしようや！」

『わ、分かったから。』

周りの視線が痛い。黄瀬と話す私を妬む視線、そして私と話す黄瀬を妬む視線どちらもだ。

早くこの時間が終わって欲しい、と担任が来るのを祈っていると「席に座れー」と案外早く教室に入ってくる。助かった。

そのままSHRが始まり、各々が自己紹介をする時間になる。しばらくして黄瀬の番になると、周りの話し声が大きくなる。中には歓声のようなものをあげる人もいた。

続いて私の番になる。黄瀬の時と同じように何ヶ所からか歓声が上がる。

『AAです。好きな食べ物は麺類です。よろしくお願いします。』

席に座ると、黄瀬がまた話しかけてくる。

「案外普通の挨拶するんやね。アイドルみたいなやつやったらええのに」

『しない。私は普通の学校生活送りたいから。』

「普通の学校生活ねえ...」

「俺らに目付けられてる時点で普通の生活は送られへんで」と、薄気味悪い言葉が聞こえてきた気がするが、それは気の所為なのだろうか。

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