4.命を狙う者 ページ8
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某日、某空港前
鬱島大はシャオロンこと黄瀬論吉と共に、とある人物を待っていた。
「いよいよ明日やな」
「これで、シッマを組長にする夢に1歩近づけるんや。」
「コネシマが組長なのもあんま気に食わんけど、そうすれば俺らの地位も爆上がりやからね」
「せや、そのためにも絶対成功させなきゃダメやねん。」
「まあ、きっと、明日には叔父貴は蜂の巣よ」
なんやかんや話しているうちに、遠くから足音が聞こえてくる。なんせ今は夜なので近くに寄るまで顔が見えないのだ。
ある程度の距離まで来ると、暗がりからその姿がハッキリと見えるようになった。
「待たせたな」
低く唸るように喋るその声には人を圧倒させるものがあった。
「ちょうど俺らも来たところや。それより、明日の動きを教えてくれ」
菅原ゾム太と呼ばれる男は了解したと頷く。
彼は深く帽子を被って全く顔を見せようとしない。
そのため、彼の心情は知る由もなかった。
「俺はムショから見てあの方角でターゲットが来るのを待ち構える。」
「そこから撃つんやな。」
「そう言うことだ。」
「分かった。無事任務を終わらせたら、お前はこのプライベートジェットで海外へ逃亡してくれ。」
「悪いな。」
なるべく簡潔に返事をする。本性を隠すために最も良い手段だ。
「頼んだで。」
「…任せとけ」
短い挨拶をした後、両者共に瞬時に帰って行った。
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同時刻、Aは夢を見ていた。
存在しないはずの父親との思い出。
朧気ながらに浮かぶ父親の顔を見る。
その顔は朗らかに笑っていた。
『父さん…？』
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作者名：らあ。 | 作成日時：2022年11月7日 21時
