任侠には興味なし【d!】 (ページ6)

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今、私は大学のレポートを終わらせるためにとある場所に来ている。

「お、お嬢、今日はどうしたん？」

『あの…大学のレポートのこれについて調べたいんです』

そう言って、目の前にいる男、ロボロさんにスマホの画面を見せる。

彼は画面を覗き込み、すぐに了承してくれた。

『ごめんなさい、こんなことに時間使わせてしまって…』

「ええんやで、お嬢の頼みならなんでも聞いたる」

『わ…ありがとうございます！』

ロボロさんはコネシマ派の人では無いが、組の幹部で、とてもよくして貰っている。

情報関連が専門らしいので、こうやってたまに大学のレポートを手伝って欲しいと頼むのだ。

早速ロボロさんはモニターだらけの壁に向かって調べ物を始めた。

「こんな感じやな、これで大丈夫そう？」

『わあ、すごい…ありがとうございます！やっぱりロボロさんに聞いてよかったです』

「これくらいなら余裕や！！」

ドヤ顔をするロボロさんは何処かあどけなさが残る。

『あの、本当にいつも助けて貰ってるので、いつかお礼させてください』

「んー…じゃあ、タメ口で話してくれへんか？それでええよ。」

『えっ、それでいいんですか？』

「ええよええよ、好きでやってるだけやし。これからはロボロって呼んでや」

『えっと、わかった…』

「ぎこちないなあ」

まだ慣れるには時間がかかりそうだ。

『それなら、私のこともお嬢じゃなくてAって呼んで欲しいな』

「ん、わかった。」

ロボロ(さん)の携帯に通知が入る。

「あー、これから仕事みたいやわ…」

『あっごめん、お邪魔しました…』

「…また来てな」

『うん、ありがとう！』

やっぱりまだこの喋り方には慣れない。

彼の部屋を後にし、自室に戻る途中、誰かに呼び止められる。

誰だろうかと後ろを振り向くと、赤いマフラーの見知らぬ男が立っていた。

『えと…どちら様ですか？』

「桃瀬豚平。」

『桃瀬…』

桃瀬の苗字が耳に残る。私の父も桃瀬ということは…

「あんさんはAA？」

『は、はい…あの、もしかして…』

「せや。桃瀬屯の息子、つまりお前の兄や。」

『私の…兄……？』

なかなかこの事態を飲み込めず、立ち尽くしてしまう。

「少し話さへんか？」

この人は本当に私の兄なのだろうか…

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