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「この後Aさんは帰る感じですか？」
『そうですね、正直ここにあまりいたくないので...』
「そりゃそうっすよね。俺だって早く帰りたいですもん。」
彼は非常階段の手すりにタバコを押し付けて火を消す。
その行動に怒りが混ざってるように見えたのは気の所為だろうか。
「あ、送っていきますよ。」
『いやいいですよ！申し訳ないです！』
「気にしないでください。と言うか、むしろ送らないと俺の面目が立たないんですよ。」
『な、何故でしょうか...？』
「ここ、非常階段は業界ではそういう関係になった時に使うんです。」
『そういう関係？』
「カラダの関係っすよ。わかります？」
『カラダ...え！？』
彼は全て見越してたのか、私の反応を見てニヤッと笑う。吸殻を捨てて「行きますよ」と言うので促されるままに階段を降りた。
その後、私は彼の車に乗せられて本部前まで送ってもらった。1度本部に顔を出せばいいのにと思ったが、彼はそれを断った。
「あとAさん、俺の方が歳下なんですからタメ口で話してくれません？なんか年上の人に敬語使われるの距離感じるんで。」
帰り際にそう言われる。確かに彼とは1歳差なので一生敬語なのもおかしな話だった。
『わかった。送ってくれてありがとう。ショッピ君。』
「いえいえ、また来てくださいね。次は俺指名で。」
じゃあ、と足早に立ち去っていった。
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shp side
店内に戻るとツバキさんが話しかけてきた。
「クレさ、あのお姉さんともしかしてシた？」
案の定勘違いされた。シてないが、ここはホストとして濁さなければならない。
「...シてたらどうなんすか？」
「いや、彼女お金持ってそうだし、俺の姫になって欲しいからさー、先越されちゃ困るんだよね。」
その言葉を聞いて無性に腹が立つ。彼女は仕事で来ているだけでホストにお金を落とす気は無い。
そもそも敵対関係の店の人にボスの娘を渡す訳にはいかなかった。
だからあえて笑顔で宣戦布告する。
「あの人は俺の
ツバキさんは笑顔で「おー怖」と言ってきたが、そこからは全て無視を貫いた。
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作者名：らあ。 | 作成日時：2022年11月7日 21時
