任侠には興味なし【d!】 (ページ30)

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まず初めに向かったのは兄の部屋だった。

兄は徹夜したのか、目のクマが酷い。

『えっと、これ...作ったからあげる。』

「ええの？美味しそうやなあ...有難く頂くな。」

げっそりした顔で笑うので切実に寝て欲しいと思った。

「ムム...甘い物の香りがするゾ...」

トントンさんの後ろからもう1人男が現れる。
よく見ると、いつぞやのグルちゃん(？)ではないか。

『あ、グルッぺンさんももし良かったらどうぞ』

「ふむ、これは素晴らしい！ありがとうお嬢。」

『いえいえ！お口に合うか不安ですが...』

「あ、A、もう1つくれんか？エミさんの分も欲しいねん。」

『もちろんいいよ』

「はあ、エミさんはまだ篭ってるめうか？」

「せやねん、最近はずっと書斎で何かの研究をしとるよ。全く何してんだか。」

「まあいい、エミさんが受け取らなかったら俺が食べるだけだからな。」

「ダメですー、マドレーヌはひとり一個まで。」

「ケチめ。」

「はいはい。」

グルッペンさんはオーラこそ凄いが、他の人と話しているのを見るとそんなに怖くなかった。

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次に私はロボロの元を訪れる。

『ロボロ、いつもありがとう！』

「え、これを...俺に...？」

『そう、さっき作ったの！』

「ほんまか...ありがとうな...ああ勿体なくて食べれへんよ」

『えー、食べて欲しいなあ...』

「いやもちろん食べるで！Aの作ったモンはいくらでも食べたいもん！！」

すごく嬉しいことを言ってくれるので私はとても上機嫌になる。ロボロはもう一度「ありがとう」と言ってそそくさと部屋の中へ戻って行った。

(あのDT絶対お嬢のこと気になってるめぅ)

(お嬢に対してだけ反応が全然違うもんね)

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ロボロに渡し終え、次にコネシマ派の方々の元へ行った。
ひとらんさんとマンちゃんは急用で帰ってしまった。

さらに、コネシマさんは仕事があるようで、私はシャオロンさんと大先生に直接会わなければならなかった。

『こんにちは...』

「...！Aちゃん！？ホンマに会いたかったよ...」

『ごめんね、なかなか会いに行けなくて。』

「ううん、ええよ、だって今来てくれてるもん。」

大先生が優しく抱きしめて来るが、私の顔は強ばるばかりだった。

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