任侠には興味なし【d!】 (ページ43)

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「お待たせしました。」

ショッピ君の勤務時間が終わり、店から出てくる。

彼は駐車場に止めてあったバイクを持ってきて、ヘルメットを差し出してきた。

「すみません、今日はバイクで来たんで後ろ、乗って貰えますか？」

『うん、わかった。』

彼もヘルメットを装着する。それは紫色に白のラインが入ったもので、彼の綺麗な紫の瞳に良く似合っていた。

そのままバイクに乗り込み、私も彼の後ろに乗った。

そこで気づく。待って、これ、ショッピ君に抱きつかないとダメじゃん。そう考えると申し訳なさが勝って裾を掴むことしか出来ない。

「それじゃ危ないですよ。ちゃんと、しがみついて。」

『でも...』

「でもじゃないです。良いから。」

彼がそう言うので渋々胴に手を回す。
彼もそれを確認した後、直ぐにエンジンをかける。

意外とスピードが速いことに気づき、少し怖くなってさらにしがみつくと、それがわかったのか

「やっぱAさん怖いんですね。さっきあんなに掴まるの嫌がってたのに。」

『い、いいから！！』

「ふ...可愛い」

私は風に遮られてそれを聞き逃しそうになった。

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着いた場所はなんと回らない寿司屋。
しかも個室なので周りの音もほとんど聞こえない。

「あ、今日は俺が奢るんで好きなの頼んでください。」

『いやいや！！さすがに悪いって！』

「いいんです、この前のお礼だと思ってください。」

『...わかった、ありがとう』

日本酒をお互いに注ぎ合って、少しずつ寿司をつまんでいく。お互いに気持ちよくお酒が回ってきた頃、ショッピ君が語り出した。

「俺、学生の頃貧乏で借金してたんです。しかも、借りた先が悪くて...どんどんその額は膨れ上がっていきました。」

淡々と、だけどどこか悲しそうに話す彼の目は少し潤んでいた。

「それで、そんな時にコネシマさんに助けてもらったんです。そのおかげで1度は全額返済出来ました。でもまた借りる羽目になって...最初は10万だったのに気づいた時には100万になってました。」

彼から発せられる言葉全てに衝撃を受ける。
1人でそんな問題を抱えていたとは思わなかった。

「そこに舞い込んできたのがこの仕事でした。実はあの店は【白昼会】っていう組織がバックについてるんですけど、その【白昼会】が俺の借りた先だったんです。」

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