【d!】色は思案の外【zm】 (ページ8)

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6.この感情に嘘は無いページ8

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女がいた気がした。

ゾムさんもいよいよ女と寝るようになったのかと、揶揄うために初めは部屋に訪れた。

だが、実際はそれ以上におぞましい光景が広がっていた。
それを見て、監禁と思わざるを得なかったのだ。

そこに横たわっていたのは、天使のような女だった。

枷を付けられ、身動きの取れないその様は酷く艶めかしくて、不覚だが、一瞬で目を奪われた。

こんなにも美しいものが世の中に存在しただろうか。

恐らくだが、この女はゾムさんに誘拐されている。

ゾムさんに対して、時折変だと思うことがあった。
人とズレた感情を持っているな、と何度も思った。

きっとそれは国家戦力として何千もの命を殺めたかなんだ。そう思っていたが、まさか犯罪に手を染める程おかしくなっていたとは思わなかった。

この後の彼女のことを考えると、あまりにも不憫に思えたので、鎖を外してあげた。

だが、これが間違いだったのかもしれない。

どうしても、その羽を取り戻した天使が惜しく思えたのだ。

だから、彼女を逃がした後、直ぐに取り戻さないとという使命感にかられ、ゾムさんに連絡を入れたのだ。

「ゾムさん、何か部屋から物凄い音が聞こえますけど、大丈夫ですか？」

「...すぐ帰るわ。」

もう少しだけ、その天使をじっくり見てみたいと思った。

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