むっちゃんに成り代わったけどなんか刀剣女士だった上に周りが亜種だった件について。 (ページ21)

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十八話ページ21

「彼女はね、結城の地にいた頃、秀康公の娘…喜佐姫の事も見ていたからね。稽古をしていた所を見て、それなりの教養はついたらしいよ。」

やっぱりか！！
だよなぁだよなぁ！！結城秀康って言ったら家康の次男坊で秀吉の養子(人質)だもんなぁ！！そんでもって藩主様だもんなぁ！！そりゃ教養身につくわな！！

「ふふ。ところで、君は坂本家の宝刀なんだろう?坂本家での話を聞かせておくれよ。」

「わ、わしのか!?」

いや坂本家の話ったって知らなっ…知らな、知ら…、
………………知ってるわ。
え！？なんで！？なんで今！？ねぇむっちゃん！！もっと早めでしょ！！！森の中辺りで記憶ブワーやってよ！！なんで今！？タイミングわっる！！！！

流れて来た記憶は、主に坂本龍馬と、肥前忠広の事だった。龍馬が生まれて、暫くして岡田以蔵が生まれて。そんであの子は何時も泣いてて、肥前と一緒にそれを見ていた。
私……陸奥守は何時もオロオロして、肥前は呆れてて。以蔵は龍馬を宥めてた。
よし！！そのまま話せばいいか！！

「そうだなぁ…まず、龍馬が生まれて暫くして以蔵が生まれたの。どっちも可愛くてのぉ、見えているうちは大層可愛がったの。」

そう言うと、青江は驚いたように目を丸くした。
え！？変な事言うた！？

「驚いた…坂本の彼は視えていたのかい?」

嗚呼、そういう事か。確かに視えてたな。五つ六つまで。

「おん。小さい頃はよう視えてなぁ。おかげで色んな良くないモノをくっつけて帰って来たぜよ。」

「僕の専売特許の方かい?」

「そうそう。おかげで祓うのに大忙しじゃ。宝刀……守り刀だからって限度っちいうものが…」

そう。龍馬は昔っから色んなモノをくっつけて帰って来た。おかげでこっちは祓うのに大忙し！以蔵と出かける！とか言って、帰って来る時には大量についてるからこっちは肥前と祓って加護を大分つけた。まー、効果無かったわな！！

「大変だったんだね。」

「おん。まぁ、そいでも、あの子は結局見えなくなってなぁ。えらい泣き虫になったなー…」

「あー、一日に三回は泣いてたな。」

「そうそう。それを以蔵が宥めて。」

「懐かしいな。」

「な。」

隣で聞いていた肥前も加わって、二人で昔話をしていた。青江も加わり、三人で談笑していると、また何処かの刀派の出し物が始まった。
次は堀川派による早業筋トレらしい。

「早業筋トレとは…」

「いかに早く回数をこなせるか、らしい。」

確かに堀川派がやりそうだ。