召喚二十一連目 ページ29
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その夜、俺の退院と個性発現祝いで、いつもより豪華なご飯を作ってくれることになった。
｢ただ、これはお楽しみだからね。準備ができるまで見ちゃダメよ。｣
｢というわけで、時間が来るまでAはお父さんと公園にいるんだぞ。｣
｢いきなりじょうほうりょうがおおい。｣
ありがたいし嬉しいけど家に着く三分前にそれを言われるとちょっと心の準備が足りないかなあって思うんだ。
｢じゃあ、６時に家に帰ってきてね。｣
｢うん、分かったよ。｣
｢ざっとあといちじかんあるんだけど。｣
母さんと別れ、家の近くにある小さな公園へ向かう。
思えば、幼稚園に通ってから、この公園に来たことはなかったな。
｢フーーー...何やろうか。｣
｢せめてぷらんにんぐしてから《わかったよ》っていってよ...｣
｢しょうがなくない？ああなった母さんを止めるのは僕には不可能だよ。｣
｢おしによわいよねとうさん。｣
｢自分の子供にまで言われたらおしまいだなぁ...｣
ハハハと笑う父さん。ツッコむところはツッコむけど大体は強く言えない。それがウチの父だ。
｢よし、じゃあAに将来に役立つ大事な事を教えてあげよう。｣
｢なになに、きになる。｣
｢うん。これは僕の持論なんだけどね。人間っていうのは、助ける助けられるだけじゃあ、ダメだと思うんだ。｣
｢？...はあ。｣
｢分かってないって顔だね。大丈夫、今はそれでいい。｣
微笑みながら、彼は続ける。
｢ただね、覚えておいてほしいんだ。
この先、Aにとって、何か辛いことがあった時に、おそらく誰かに助けてもらうと思うんだ。
その時、《助けてもらってありがとうございます。これからは気を付けます》で終わらせちゃ、多分そこまでなんだ。
大切なのは、そこからどうやって強くなるか、どうやって、助けてもらった人と同じラインに立って、自分も同じことが出来るか。そこなんだと思うんだ。
その相手は誰だっていい。同級生でも、ヒーローでも。...英雄でも、ね。｣
・・・え？
｢それはどういう...｣
こと、と聞く前に、父さんはパチリと手を鳴らし、話を強引に切る。
｢さあ、真面目な話はおしまいだ。ブランコとかで遊んでおいで。時間が来たら呼ぶから。｣
釈然としないが、ここで食い下がっても、多分この人は何もいわないだろう。
｢・・・わかった。｣
素直にブランコへと向かう。
｢・・・ごめんね、A。｣
その声は、俺には届かなかった。
続く
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ちづっきー(プロフ) - 今FateGOにどハマりしていてたまたま見たんですが凄く面白いです！このコメントが届いていたら、できたら更新再開して欲しいです。 (2022年7月6日 7時) (
レス) @page29 id: 6eb9ddde4a (このIDを非表示/違反報告)
夕焼サイダー - むくろさん、コメントありがとうございます!FGO主人公って二部のこととか色々組み合わさって複雑な状態になってると思うんですよね...なので、英霊になるにあたってアヴェンジャークラスになってもらいました。ちなみに他の候補としてアルターエゴとかがありました。 (2022年2月27日 19時) (レス) id: 7b10f51674 (このIDを非表示/違反報告)
むくろ(プロフ) - 我らの主人公がアヴェンジャーが面白いですね (2022年1月27日 3時) (レス) @page29 id: 174613f474 (このIDを非表示/違反報告)
夕焼サイダー - すこんぶさん、コメントありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです!!より良い作品を作っていけるよう努力しますので、今後もよろしくお願いします!! (2021年5月15日 23時) (レス) id: 7ffa47a5d3 (このIDを非表示/違反報告)
すこんぶ(プロフ) - オリジナルフラグでした誤字です… (2021年5月12日 0時) (レス) id: d03f78d089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕焼サイダー | 作成日時：2021年4月18日 0時
