【ハイキュー】ゴミに書いたラブレター【国見英】 (ページ9)

今日:18 hit、昨日:60 hit、合計:12,168 hit

カエルページ9

*

｢見て！カエル！｣

｢俺は国見だけど｣

いつも折り紙を作っては俺の元へ持ってくるクラスメイト。

なぜ俺に見せるのか、今となってはきっかけも覚えていない。

｢そうじゃなくて！カエル作った！｣

これ跳ねるんだよ〜と嬉しそうに俺の机でカエルに折られた折り紙を跳ねさせている。

クシャッ
思わず着地したカエルをグーで潰す。

｢あー！ぴょんきちが！｣

｢名前付けてんの｣

ネーミングセンス無さすぎだろ。と言う言葉は飲み込んでそいつを見る。

自信作と言って見せる折り紙をいつも俺に潰されてるのに楽しそうに笑っている。

｢変なやつ｣

｢顔も描いてるんだよ、可愛いでしょ｣

｢可愛くない、要らない｣

そう言うとちぇっと諦めたように教室を出ていく。

やっと静かになった、と俺は眠りについた。

｢金田一、飯｣

昼休憩、いつも一緒に食べている金田一を迎えに行くと机には見覚えのあるカエルが。

｢これ…｣

｢Aが持ってきた｣

器用だよな。と言いながら机の上のカエルをぴょんと跳ねさせている。

｢あいつ色んなやつに配ってんの｣

｢国見に1番綺麗なの潰されたってよく言ってるぞ｣

ふーん、と言いながら金田一のカエルに目をやる。

やはり可愛くない顔が描かれていて。

｢ん？｣

｢あー、これ？いっつも変なの書いてあるんだよ｣

胴体の所にらっきょと書かれているのに気づくと、金田一は困ったようにカエルを転がした。

｢アスパラガスとか、とんがりこーんって書かれてたけど悪口なのかなんなのか分かりにくいよな｣

楽しそうに笑う金田一に少し面白くない、と思ってしまう自分がいた。

｢国見は書かれてねぇの？｣

｢まず見てない｣

｢見てやれよ、なんか伝えたいこと書いてあるかもしれないだろ？｣

｢興味無い｣

俺が書かれてたのはバレーボール風に折られた折り紙の裏に頑張れの文字。

それ以外は何も無かったと思う。

まあ捨てられると分かっているから書いてないだけかもしれないけど。

金田一にも同じように自信作と言って見せに行く姿を想像して、何故か無性に苛立ちを覚えた。