【ハイキュー】ゴミに書いたラブレター【国見英】 (ページ11)

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紙飛行機ページ11

*

「あれ、どこいっちゃったんだろう」

外に出て紙飛行機を探す。

今日は風も少ないしそんなに遠くにはいってないと思うのだけど。

「もしかして、この紙飛行機飛ばしたの、君？」

後ろから声をかけられて振り返ると、そこには何度か見たことのある国見の先輩。

「えっと…及川先輩？」

だっけ？と思いながら名前を呼ぶとあっていたようで、先輩はにこりと笑った。

「俺何度も告白されたことあるけど、こんなの初めて」

「へっ？」

拾ってもらった紙飛行機を受け取るために手を伸ばすと告げられた言葉に驚きを隠せない。

よく見ると先輩の手には紙飛行機ではなく折り目がついた紙。

そこには彼に伝えきれない好きと言う文字。

「紙飛行機は私のなんですけど、その、違くて…」

慌てて否定すると冗談めかして落ち込む先輩。

「ありゃ、俺宛じゃなかった？」

「その、好きな人に投げたら外に行っちゃって…」

「あ、いた。」
だから返してください、と言う前に大好きな声。

「く、国見！？」

「あれ、国見ちゃん。友達？」

「及川さん？コイツと何してるんですか？」

いつ私に気づいたんだろう、好きな人に投げたってところ聞かれてないかな。

なんて、伝えたいけど伝わるのが怖いと言う気持ちが今になって押し寄せる。

「俺はこの子の探し物見つけただけだよ」

ねっ、と先輩は察してくれたのか、私にパチっとウインクをする。

「そ、それ！もういらないので、捨てちゃってください！」

ありがとうございました！と早口で捲し立て、国見の腕を引っ張る。

「ねえ、引っ張んないで」
先輩から少し離れたところで彼に言われ、はっとする。

「ご、ごめん！」
慌てて掴んでた腕を離すと、国見に顔を覗かれる。

「よかったの？自信作なんでしょ、あれ」

「もう飛ばないし、いいの」

想いを伝える勇気もないくせに、伝えてみたいと思ってしまう自分が情けなくて少し下を向いてしまう。

ふーん、と興味なさそうに先を歩く彼の後ろをついて歩くことしかできなかった。