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第49話 ページ22

夢を見た。

あの『何か』…じゃなく鬼が出てくる夢ではなく、 幼い頃の、まだ無知に近い頃の夢だった。

「ねえ、暮人」

「なんだ?」

「真昼ちゃん知らない?用事があるんだけど」

「分からん。だがこの屋敷にはいるんじゃ無いのか?」

「そっか、わかった」

あぁ、懐かしい。私は真昼ちゃんを見つけようと屋敷中探して、そして『声』がした

「君の友達は彼処にいるよ、ほらあの部屋の床を見てご覧。そこに隠し通路がある」

「あなたは誰?」

「君の事をよく知っているモノかな、ほら行ってきなよ」

「うん、ありがとう」

そしてその声に導かれるまま私は……











薄く目を見開くと、天井が自分の部屋と違うことに気がついた。

「ここは…」

体を起こそうと力を入れた時、部屋に誰かが入ってきた。

「…暮人?」

暮人は私を見て目を見開く、がすぐにいつものすました顔に戻り

「起きたのか」

「うん、今ね。暮人がいるということは…ここは」

「柊の別荘の一つだ。」

「なるほど」

体を起こし、立とうとするが暮人に止められその体制のまま話すことにした

「お前、3日も寝てたんだぞ。」

「え、そんなに?…ちなみに怪我は?」

「有り得ないほどの速さで回復している。一週間もしないうちに治るかもしれないらしい」

「へぇ…」

一応《鬼》の力は効いているらしい。自分の体がもう、人間では無いのだと改めて感じた

「じゃあ暮人、私家に帰りたいから荷物を…」

「お前は一体何処へ行こうとするんだ。」

突然暮人が言った

「どうしたの?暮人」

「昔からお前は何処かを見つめている。俺が止めても気づいたらその方向に行っている。」

そう言う暮人の顔は、柊としての顔ではなく、暮人という人間の、辛そうな顔だった

「ねぇ、暮人。落ち着いて…」

「今回もそうだ。深夜達が帰ってきた時お前は意識を失っていて…その間どれだけ心配をかけたと思っているんだ!」

いつもなら誤魔化せれるはずなのに声が出なかった。暮人が声を荒らげるほど怒っている。

私は、動揺を隠せないまま小さく

「ごめん…」

と言った

すると暮人は、私の腕を引っ張り

「えっ」

倒れるように私は暮人の腕の中に収まる

「暮人…?」

「もう、何処にも行くな」

暮人が私を抱きしめて言った

カチリカチリと世界が破滅していく歯車の音の中で、別の歯車がカチリと動き始めた。

その時、私の中で《鬼》がニヤリと笑った

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設定タグ:終わりのセラフ , 柊暮人   
作品ジャンル:恋愛
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煌めく爽良(プロフ) - 亜純さん» ありがとうございます! 更新はなるべく早くしたいと思いますので頑張ります。 (2017年8月22日 17時) (レス) id: b9a6ac072e (このIDを非表示/違反報告)
亜純(プロフ) - 更新頑張って下さい!応援しています! (2017年8月22日 11時) (レス) id: f65f9d6e58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:煌めく爽良 | 作成日時:2017年8月3日 22時

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