第４５話 ページ18
それに真昼が刀を構えて言う
「で、そんな欲張りな人間を制裁しに来た？」
それにフェリドは笑い
「いやいや、そんなに人間に興味はないよ。勝手に同族同士で醜く争えば？僕らは興味はない。
まぁ、僕の剣を喰らって生きているような君らが人間かどうかはちょっと定かじゃないけれど」
「……」
と、あっさり背を向ける。いや、背中を向けても、問題ないと思われてしまうほどに、力に差がある。
Aやグレンは勿論、真昼も動かなかった。勝てる可能性が薄い、それが彼女にも分かっているのだ。
「くそっ…《鬼呪》の力が完成してれば…」
彼女は悔しげにそう呟いてから、刀を腰の鞘に収める。
Aはその刀を見下ろす。これでまだ完成ではないらしい。力を制御しきれない、という部分ではあきらかに完成していないと思っていたが
「まだ、力が大きくなるのか？」
グレンが聞くと、真昼は薄く笑って
「…もうあまり時間がないから説明してあげない。でもさっき行ったけどあなたもどうせ私と同じ道を選ぶ。《鬼》が中に入っちゃったから」
とそこで言葉を切り、Aの方を向いて
「さっき気づいたけどAも…混ざっちゃったんだね」
「あぁ…うん」
少し濁して答えるAに対し、真昼は真剣そうな顔で
「けど、まだ貴方は駄目。もっと欲を望まないと、私やグレンみたいに力を望まないと…その《鬼》は力を貸してくれないから。」
「力なら欲してるんだけどな…」
「そういう力じゃない、もっとどろどろとして欲にまみれた力」
と言い、彼女は走り落ちているキメラの半身を拾う。
と同時に、空でヘリの音がする。
真昼はそれを見上げ
「…キメラが死んだのに気づいて百夜教がくるわ、グレン、A。あなたも逃げ…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 79人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
煌めく爽良(プロフ) - 亜純さん» ありがとうございます！ 更新はなるべく早くしたいと思いますので頑張ります。 (2017年8月22日 17時) (
レス) id: b9a6ac072e (このIDを非表示/違反報告)
亜純(プロフ) - 更新頑張って下さい！応援しています！ (2017年8月22日 11時) (レス) id: f65f9d6e58 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：煌めく爽良 | 作成日時：2017年8月3日 22時
