【終わりのセラフ】彼女の手が届くまで【柊暮人】 (ページ29)

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第２７話side深夜ページ29

体育館へ集められてからAちゃんの様子が少しおかしいと感じた。

「……ふわ」

「随分と眠そうだね。」

「うん、まぁ…」

そう言う彼女の顔は、いつもより疲れているように見える。普段なら眠そうな様子も周りにわかるようには見せないのに。

だから、僕は

「何かあったの？最近眠そうにしてるけど」

「…そんなにわかる？いやちょっと、情報収集に熱中しすぎてね」

彼女はいつものように笑いながら言うが明らかに嘘だとわかる。つまり、それほど調子が悪いのだ。

「だから今日は早く帰って眠ることにしようかな。バイバイ深夜。」

「また？」

それに彼女は最近さっさと帰ってしまう。今までは最後まで授業を受けていたのに。

「グレンもいないし、退屈なんだけどな」

教師の授業を聞き流しながら昔に聞いたことを思い出していた。

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「Aちゃんさ…そんなに情報集めて何がしたいの？」

そんな事を突然聞かれ、Aは少し驚いた顔をした後

「いや特に何も…集めて満足してるだけ？」

「え？」

「そもそも深夜は勘違いしてるよ。」

深夜の不思議がる顔に笑いながら

「私はある程度調べて、気になるのだけを詳しく調べるだけだもん。そのある程度の範囲が多いから時間がかかるだけ。重要なのはすぐに見つけれる。」

「全てのものを調べすぎても意味は無いし、世の中にはさ…知りすぎなくてもいいものがあるんだよ。」

そう言う彼女の顔は年齢に似合わぬ顔をしていた

「"執着は人を殺す"って暮人は言うけど、確かにその通りかもね。私も情報に執着してるし…深夜は私みたいにならないように気をつけてね。」

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「はぁ、なんだか壮大なことが起こりそうな予感だな…グレン、早く戻ってこいよ。」

深夜はここには居ぬ同じ考えを持つ仲間に助けを求めた。