【終わりのセラフ】彼女の手が届くまで【柊暮人】 (ページ28)

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第２６話ページ28

次の日、Aが学校へ行ってもやはりグレンの姿は見かけなかった。

「おはよう、A」ちゃん

「おはよう…グレンは？」

「拷問中だってさ。僕も若しかしたらされるかもね。暮人兄さんに疑われたし」

深夜はへらへら笑っていながらも少し心配しているようだった

「グレンだから大丈夫でしょ。弱かったらそこまで、そんな世界なんだから。」

「…Aちゃんの所もそんな環境だったの？」

Aは思い出すように目を細め、

「言ったでしょ？私は『榊』の血を引いていないって。それもあるし、私は兄より優秀だったからね」

「…Aちゃんの所も結構あれなんだね。てっきり平等かと思った。」

それにAは苦笑いしながら

「表上はね。けど裏では情報戦争。一つでも有益な情報で上は変わる。足の引っ張り合いばっかりだから疲れちゃうんだよ…まぁ、私は跡を継げないから意味無いんだけど。」

「へぇ、Aちゃんの兄ってどんな人なの？」

「3人いるはずなんだけど、私のことを嫌ってるね。…さて、ちょっと話しすぎちゃったから疲れちゃった。サボって来るから後よろしくね。」

「え、ちょっと」

「またね、深夜」

Aの後を追いかけようとしたが、授業の鐘が鳴り、教師が入ってきたのでそのまま行くとまた暮人に言われそうな気がしたので大人しく席に戻った。

「最近、変なんだよね…Aちゃん」