〜お叱りと労いの言葉(10)〜 ページ50
関所まで送るのをやんわりと断られた為、クレアはハキを部屋の外まで送り届けてから部屋へと戻ってきた。
「ああ、クレア。オビにも言ったが、俺達は明日にはウィスタルに帰るからな」
『あれ?ウィンラントに行くんじゃなかったの』
「予定が変わったんだってさ、ルーエンさんもウィスタルに戻ったんだって」
オビはクレアがハキを部屋の外まで送った時に聞いたようで、ここでルーエンもとい、イザナが先に城に戻ったことを聞かされた。
「リュウ達はいつまでリリアスにいるんだ?」
「発つのは、明後日です。明日、館内見て」
「明後日か…」
運が良ければ一緒に戻れるだろうと思っていたゼンは、少し残念そうにリュウの言葉を聞いていた。
「まっ、何はともあれ。皆、ご苦労様でした!!」
ガラクの乾杯の一声に、カップを上へと掲げ改めて乾杯のの音頭を取って再び、宴が賑やかとなった。
『んー…呑んだぁぁー』
「結局、朝方まで呑んでんだもんね」
明日、発たなきゃなんないのに。あ、もう今日か。なんて呟くオビの横を、髪を手櫛でときながら歩く。
『にしてもガラクさんってば、あれだけ呑んでもほんと元気だよねー』
「いきいきとしてたからね、来た時よりも」
『間違いない』
先に部屋を出て行ってしまった白雪と、それを追って部屋を出たゼン。暫く付き合っていたミツヒデと木々も、そそくさと部屋で休ませてもらうと言い残し、結局ガラクに付き合わされたクレアとオビ、そしてシダンの四人で朝まで呑む羽目になったのだった。
『只の腐れ縁ってだけで、朝まで付き合う必要ないのにね。素直じゃないよ、ほんと』
「あの人、そういうの疎そうな気がするけどね」
『まぁきっかけは出来たんじゃない、あの花のお陰で』
借りていた部屋まで辿り着くと、また後でと言い残しそれから合流したのは、陽もようやく出てきた頃。
白雪とリュウを除く王城組は薬学の館の前で、出発の準備を整えていた。
『明後日には会えるんだし、そんな落ち込まないのゼン』
「そうですよ主、明後日には会えるんですから」
「ええい、うるさい!ミツヒデ」
馬に跨がったまま館を見ていたゼンをからかう二人に恥ずかしかったのか、先に馬を走らせた。
「なんで、俺!?」
「置いてくよ」
「ちょ、置いてくなって」
木々に置いてかれたミツヒデは、王城に戻ると新たな問題が起こるとは、知る由もない。
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クレア(プロフ) - 奏萌さん» 約2ヶ月掛かってやっとこのブックが埋まったわー。 (2015年10月23日 23時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
奏萌(プロフ) - 萌も更新しなきゃ(笑) 明日はのぶくん生誕祭 (2015年10月23日 22時) (レス) id: 909270ad00 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - 奏萌さん» んー、まぁまだまだ痛いけどがんばる笑 ありがとーお待たせ! (2015年10月23日 0時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
奏萌(プロフ) - 大丈夫?!久々の更新だね!待ってたよ (2015年10月23日 0時) (レス) id: 909270ad00 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - 水琴鈴さん» たぶん、また更新するから笑っ (2015年10月22日 22時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クレア | 作成日時:2015年8月26日 19時