赤髪の白雪姫【７】 (ページ41)

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第４０話～お叱りと労いの言葉(１)～ページ41

ークラリネス王国リリアス関所ー

「関所も元通りに動いているみたいだな」

「はい！殿下。まだ学問街は一部、入場制限がありますが」

オリオルド関から、馬を飛ばしてやって来たゼンは数日前に見た閉鎖されて閑散としていた門の周りが、今では前のように賑やかになりつつある事に、喜びを感じていた。

「よし、兄上と総兵どのに会って学問街へ行く」

馬を進めさせたゼンの後ろを、側近のミツヒデと木々も後をついていく。

ー学問街薬学の館ー

「これにて病も完治という事で、白雪君とオビ君、クレアに言っておかなければいけない事がひとつあるわ」

「はい！」

やけに、にこやかなガラクの表情に白雪は肩を少しびくっとさせながら返事をした。

「原因に接触した三人が無茶をしたわね～～～～」

「「いだだだだだだ」」

『うわ～～痛そ』

クレアは頬をつねられる二人の姿を端から傍観し、難を逃れる…

「手は二本しかないからねぇ～～、本当は片側だけつねるんだけど、今はちょーどっ、両手が空いてるのよねぇ～」

『えっ、えっ、何それっ…そんなのっひど…！いだだだ、いだい、ぎゃら、く、しゃん…』

…事は出来なかったようで、両手の空いたガラクはクレアの両頬を横に引っ張ったのだった。

「発症まで猶予があろうが、それは状況で変わるかもしれない。確実な身の安全の保証にはならないのよ、わかった？」

「…はい！」

『はーい…』

漸く解放されたクレアは、両頬を涙目になっているのをオビが笑いながら擦ってやっていた。

「よろしい。じゃ、それは横においといて本当によくやったわ、リュウもね！いやーいろいろ驚かされたわよー」

先程の怒ったガラクは、何処へやら今度は満面の絵顔で褒めちぎるという変わりようは、彼女の良いところである。

「ガラク・ガゼルトどの、俺も褒めて下さい。できれば書面押印付で」

「ふむ」

どこまで図々しいんだと、ユズリは隣で鈴の発言を聞いていたが、機嫌の良いガラクは一つ返事で了承するも直ぐ様、静かだった室内は部屋の扉が開かれると騒がしくなる。

「ガガガ、ガラクどの。私の論文を見て頂けませんか」

「あの研究について質問が！！」

「私が先だ。昨日、くじで決めただろ」

「え！？参加してないぞ、そんなくじ」

「私も私も私も」

ガラクはいつかのクレアのように、両手を耳で塞ぎ明後日の方向を見ると、同じように耳を塞ぐクレアもいた。

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