〜オリンマリス(6)〜 ページ39
オビに手を引かれたまま、イザナが抱く白雪と共にキリトも眠る場所へとやって来ると、扉を開けてくれたリュウが目をぎょっとさせる。
「…あ、ル、ルーエンさん」
「ああ、リュウか。白雪が倒れたので診てやってくれ」
「は、はい」
こくこくと、頷いたリュウはそのまま空いているベッドへとイザナを誘導した。
「し、白雪ちゃん…やっぱり発症しちゃったんだ」
『前線で一番頑張ってたからね、…白雪』
「まぁ、俺達も似たようなもんだから。空いてるベッドに案内してくれるかい?」
ユズリが心配そうに、ルーエンもといイザナにベッドにゆっくり寝かせてもらっているのを見てから、オビとクレアの発言で、すぐに目の色を変えた。
「ま、まさか二人も!?」
『そ、そのまさかー…』
「実は、立ってるのがやっとなんだよね」
へらへらと笑う彼らをユズリも、慌てて空いているベッドへと案内した。
『ありがとー、ユズリ…』
「無理して話さなくていいよ、クレアちゃん。ここは私達に任せてゆっくり休んで」
『ん、ありがと』
横のベッドには同じように、体をゆっくりと倒したオビと目が合った。
「辛いかい?」
『一人、じゃないから平気』
「はは、そうだね」
薬が出来るまで今は、安静に体を休めなければならない。痛み止めをリュウから渡され、それを服用すれば多少の氷のように冷たくなる感覚が薄まった気がしてから、睡魔に襲われた。
そして、三人が薬の作用で眠ることが出来た少し後、報告へと共に行っていたガラクとシダンはその帰り、館の見晴らしのいい場所で外を眺めていた。
「オリンマリス。君の名前で研究対象として管理できるよう提言しておいたわ、シダン」
「有毒植物、としてな…」
「そりゃ、当然」
事実、毒のせいで何人も倒れてしまったのだからそうなるざる終えないとでも言いたげに、ガラクは書類に目を通していた。
「…すまんな、おまえの力を借りて」
「君のこれまでの研究資料を見ればね」
ガラクはシダンの研究資料から、何か伝わるものがあったのか少し目を細めた。
「おまえの弟子に、俺は正々堂々、花を守れと言われたよ」
「あっはっはっはっはっはっ」
昔と変わらない笑い方のガラクに、シダンは少し懐かしく感じた。
「それとリュウ君の知識量と技量は噂以上だろ…」
「いい弟子たちでしょう」
横にいるシダンはやはり決定に不安があるのかシダンの表情は固いままであった。
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クレア(プロフ) - 奏萌さん» 約2ヶ月掛かってやっとこのブックが埋まったわー。 (2015年10月23日 23時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
奏萌(プロフ) - 萌も更新しなきゃ(笑) 明日はのぶくん生誕祭 (2015年10月23日 22時) (レス) id: 909270ad00 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - 奏萌さん» んー、まぁまだまだ痛いけどがんばる笑 ありがとーお待たせ! (2015年10月23日 0時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
奏萌(プロフ) - 大丈夫?!久々の更新だね!待ってたよ (2015年10月23日 0時) (レス) id: 909270ad00 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - 水琴鈴さん» たぶん、また更新するから笑っ (2015年10月22日 22時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クレア | 作成日時:2015年8月26日 19時