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   〜鈍く光る水の在処(7)〜 ページ30

木に積もりに積もった雪が音を立てて落ちる中、白雪達三人はまたあの洞窟のある場所へと戻っている。



「洞窟の光る水の所の天井に隙間があったから、そこからあの霧が地上にあがってる…と考えて、どうやって外からあの場所の真上を見つけ出すの?」



オビを先頭にクレアが歩き、白雪はオビの考えに首を傾げ雪の上を歩き続ける。



「まあ、やる事は単純だよ」

『雪道ってのが、ちょっと大変だけどね』


丁度、オビとクレアの頭上の上が微かに音を立て雪の重みで木がしなる。


「とにかく洞窟の入り口まで行っ…」

『ん…?』

「!!二人とも、危ない!!」


オビもクレアに、両手を突きだした白雪はこちらへと飛び込んでくる。


「!?ちょっ…」

『わ、白っ…』


勢いよく落ちてきた雪に、オビもクレアもそして白雪も埋まることは免れたが、足元だけは雪に埋まってしまったようで少し冷たい。



「ぶはっ、あ…ごめんなさいクレアさん。それから、オビ」

「勘弁してよ、お嬢さん!!俺もクレア嬢もよけられるからあれくらい」

「ご、ごめん」



白雪へとそう少し怒ったように言ったオビに、オビに向かい合ったまま白雪との間に挟まったクレアはまぁまぁと、困ったように笑った。



『何ともなかったんだから、いいでしょオビ。それにあたしは、オビがクッションになってくれたから平気だったし
気にしなくていいよ、白雪』

「すいませんクレアさん。足元雪だし…いや、そんな事考えてなかったけど咄嗟に」


クレアの背中から慌てて、降りた白雪はもう一度すいませんと謝った。


『平気、平気!ね、オビ?』


オビに馬乗りになった状態のまま、笑ったクレアにオビは、額に手を乗せ深くため息をつく。


「〜〜〜〜勘弁してよ、…心臓とまるよ」

『そう?激しく動いてるみたいだけど?』



オビの胸へと手を這わせたクレアに、オビは、右手でクレアの左頬を摘まむ。


『いひゃいー』

「何言ってんのかわかんないよ。ほら、降りて」


上半身をそのまま起こしたオビは、ぱっとクレアの頬から手を離すと倒れた時に自分の体でぶつけたのか、赤くなったクレアの鼻を摘まんだ。


『ちょっとー、さっきから摘まむなー』

「はいはい、ごめんごめん。っと」


ぱっと離れたクレアが鼻を擦っているのを横目に、白雪は足元についた雪を払う。



「逆にかばってもらってたら、格好つかないね。次はうまくやるよ。次があったら困るけど」





.

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設定タグ:赤髪の白雪姫 , オビ , 従者   
作品ジャンル:ファンタジー
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クレア(プロフ) - 奏萌さん» 約2ヶ月掛かってやっとこのブックが埋まったわー。 (2015年10月23日 23時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
奏萌(プロフ) - 萌も更新しなきゃ(笑) 明日はのぶくん生誕祭 (2015年10月23日 22時) (レス) id: 909270ad00 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - 奏萌さん» んー、まぁまだまだ痛いけどがんばる笑 ありがとーお待たせ! (2015年10月23日 0時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
奏萌(プロフ) - 大丈夫?!久々の更新だね!待ってたよ (2015年10月23日 0時) (レス) id: 909270ad00 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - 水琴鈴さん» たぶん、また更新するから笑っ (2015年10月22日 22時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クレア | 作成日時:2015年8月26日 19時

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