赤髪の白雪姫【７】 (ページ25)

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　　　～鈍く光る水の在処(２)～ページ25

「あそこ。あの中が洞窟になってるんだ」

あれから少し歩いた先に、白く雪で覆われた洞窟がぽっかりと口を開けた状態で、その入り口はあった。

『ここが…』

「……」

少し息を切らした白雪は、インクの色を戻して見つけたあの本の内容を思い出していた。

「(病の原因と思われるのは鈍く光る水)…それをこのリリアスで見たの…！？」

「本当かよ」

「見た。学問街の奥の林に…俺と友達しか知らない遊び場があるんだ。その中で…！」

思わぬキリトからの情報に、白雪達も信じられない様子でキリトへと振り返っていた。

「白雪さん、続きもある」

「！、はい」

リュウが本の続きに気づきそれを、読み上げる。

「(その光は何処からか流れついた植物の種…が、作り出した、もの)」

「そうきちゃったかー…」

まだインクの乾ききらない部分があるのか、リュウは確かめるようにゆっくりと読み進めていく。

「(毒となるものを薬に、その種こそ病の源泉にして、治療薬。)」

「種…？……俺行ってくるよ！その話だと俺も、もうかかってんだろ。動けなくなる前に行ってくる！！」

リュウが読み終わると同時に居てもたってもいられなくなったキリトが走り出そうと、動くのを白雪がキリトの手を掴んだ。

「キリト君！」

「なんだよ、大丈夫だよ白髪の姉ちゃんまで」

『いーから、待ちなよキリト』

手を掴んだ白雪を見てから、自分の目の前に立ち塞がったクレアに不満そうに声をあげたキリトに、白雪は腕を掴む手に少し力が入る。

「記述と照合して、採取対象があれば採取してちゃんと戻ってこなきゃいけない……オビ、クレアさん」

「はいはい」

『勿論、行くよ』

わしゃわしゃと、目の前で不貞腐れた表情のキリトの髪を撫でるクレアに、鬱陶しそうにするがされるがままになっていた。

「リュウ！私も行っていいでしょうか」

「…え」

止めようもない白雪の発言にリュウは、頷くしか出来なかった。

そして、行くとなれば場所の確認をしなければならないと、オビとクレアは鈴とユズリから方角を聞いていた。

「あっち？」

「そう」

『結構、遠いかもね。白雪には』

ユズリの指差す先を見て、クレアがそう呟くとユズリも白い息を吐きながら心配そうにする。

「だいぶ雪が積もってるから、付き添いの兵がいた方がいいと思うけど…」

「その役は俺らが」

「えっ？」

それにクレアが含まれることにユズリも鈴も、クレアへと視線を向ける。

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