赤髪の白雪姫【７】 (ページ22)

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　　　～病の原因は？(５)～ページ22

「え？オビは残らせたのか？」

「ああ」

馬から降り歩き出すゼンの背中を見ながら、ミツヒデと木々もゆっくりと歩を進める。

「白雪のところにな。その方がいいだろオビは。それにクレアもいるし動きやすいだろ」

「そうか…そんな場所を任せるくらいだーーゼン、オビをこの先どうするのかは決めてるのか？」

階段を上っている最中のミツヒデの質問にゼンは、後ろを振り返る。

「なんだ、いきなり」

「前々から聞いておこうと思ってた事だ。俺と木々、それからクレアにも関係ある話だからさ」

木々はミツヒデの後ろを黙って着いてきているが、自分も同じ気持ちだという目をしていた。

「…オビが俺に預けてるとか言ってる手綱な」

「ああ」

「あいつはまだ一方的にそうしてると思ってる節があるが、俺はもう自分の意思で預かってる」

左腰に携えた剣の柄を軽く握ったゼンは、もう一度振り返る。

「おまえらは、どうなんだ！今頃、異論でもあるのか？」

「あったら、ゼンの道中の供なんて任せないさ」

「同じく。」

二人は白い息を吐きながら肯定の言葉を言えば、ゼンは満足したようにまた二人に背を向ける。

「ミツヒデと木々がそう答えるなら尚の事だ。俺が言えるのは、手放す気はないという事だけだな」

「わかった。それでリリアスの状況は？」

「悪い。だが、兄上にクレア。白雪達がもう動いている」

ゼンは、リリアスで起こっている事をイザナに聞いたこと、白雪から聞いたことを二人の側近に話すことにした。

そして、本について何か手がないかと白雪は鈴とユズリの二人に話し合っている最中であった。

「つまり、病について書かれてるその本、文字が消えてしまったのではなく、無色になっていて読めないのではないかという事です」

「…なんと、まー」

考えても見なかった発想にルーペを覗く鈴に、白雪は話を続ける。

「インクが何の植物から作られているのかを調べて、そこから特性がおそらくインクに色を戻して文字を再び、浮かびあがらせる事ができるはずです」

「確かに。だけど、楽な仕事じゃないよ。の前に、そもそも植物かどうかは見てもわからないのにもしかして」

ぱたん、と本を閉じた鈴にリュウが試験管を右手で揺らしながらそれに答える。

「調べたよ、そこまではわかった」

『ここには王城にはない植物もあるし試して見るしかないねー』

リュウの作業を見ていたクレアは、どうしたものかと息をつく。

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