〜病の原因は?(4)〜 ページ21
白雪は何を思い付いたのか、薬品棚のある場所へと走った。
『し、白雪?』
「お嬢さん、何するんだい?」
後を追ってきたオビとリュウに背を向けたまま、薬品棚に掛けられたカーテンを勢いよくあけて、薬品の入った瓶を一つずつ手に取る白雪。
「古い本でかすれたにしては、消え方が妙な気がする。どうしようもない、かどうか試す価値はあるよね」
『やる前から諦めるなんて、白雪のやり方じゃないしね』
クレアの言葉に頷く白雪は、瓶を持つ手に力が入る。
「うまくいけば、文字を復元できるかもしれない」
ー リリアスより西 オリオルド関 ー
ゼンに変わり、オリオルド関での対応を任されていたミツヒデと木々。一仕事を終えて、少し休憩を取っていた。
「イザナ殿下にクレア、白雪達も身に何もなければいいが…ゼンとオビはもうじき戻ってくる頃だな」
「ゼンはいつかの時みたいに、まだリリアスにとどまってるかもよ」
木々は少し昔の事を思い出しているかのように、柱へともたれながら雪の止んだ銀世界を眺めた。
「そう思うか?木々」
「思わない」
しかし、それは昔の事だと木々自身も分かっていたようで、ミツヒデの言葉を少し笑みを持たせながら否定した。
「……イザナ様に何を言われているかだなぁ…ここのところはイザナ様の正面に立つ事を嫌がらなくなったから心配いないかもしれないが…」
「……ゼンとイザナ殿下に関しては間男みたいなものだしね、ミツヒデ」
「間男!?」
目も合わせずに、前から思っていたのだろうか木々はすらすらとそう言ってのけると、ミツヒデは落ち込んだ。
「ミツヒデどの、木々どの!ゼン殿下がお着きになったそうです」
「!わかった」
下から呼ばれた声に、返事を済ますと二人で階段を降りていく。
「だけど確かに、どう戻ってきたかな」
「そうだな…リリアスの状況がわからんから難しいがおそらくイザナ殿下に会って、まずは一言厳しい事を言われるだろうがだが、やるべき事をわかって行っているから次、どう動くか決めてくるだろ。しかし、白雪には会えないで」
「長い」
あまりにも長い、ゼンの事細かな心情をあくまでも予想
して話すミツヒデに、木々は興味なさげに先を進んだ。
「よう。こっちの事は全て任されたぞ」
着いたばかりでまだ、馬からも降りずに声を掛けてきたゼンにミツヒデも木々も、ゼンの言葉に息を飲んだ。
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クレア(プロフ) - 奏萌さん» 約2ヶ月掛かってやっとこのブックが埋まったわー。 (2015年10月23日 23時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
奏萌(プロフ) - 萌も更新しなきゃ(笑) 明日はのぶくん生誕祭 (2015年10月23日 22時) (レス) id: 909270ad00 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - 奏萌さん» んー、まぁまだまだ痛いけどがんばる笑 ありがとーお待たせ! (2015年10月23日 0時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
奏萌(プロフ) - 大丈夫?!久々の更新だね!待ってたよ (2015年10月23日 0時) (レス) id: 909270ad00 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - 水琴鈴さん» たぶん、また更新するから笑っ (2015年10月22日 22時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クレア | 作成日時:2015年8月26日 19時